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「投資系YouTuberの7割はウソ」金融の専門家が警告、海外金融商品に落とし穴=俣野成敏

多くの日本人は、どうやって海外金融商品を購入している?

もともと、このRL360°という商品は、日本でいうところのラップ口座です。ラップ口座とは、口座内にたくさんの商材(株式や投資信託等)があり、それらをファンドマネジャーがセレクトし運用することで、利回りを確保するという商品です。通常、口座の残高や、出た利回りに応じて成功報酬という形で手数料を取られます。

一口にRL360°といっても、実際は200以上の投資信託が用意されており、それをセレクトし運用するのは、IFAのファンドマネジャーです。つまり、どれだけの利回りを確保できるのかは、RL360°という商品にではなく、それを運用するIFAのファンドマネジャーの力量にかかっている、ということになります。

今の日本であまり馴染みがないのが、このIFAという金融機関の存在です。

IFAはIndependent Financial Advisorの略で、直訳すれば独立系金融アドバイザーということになりますが、ここでは金融商品仲介・運用業を行っている金融機関のことを指します(すべての海外商品が、IFA制度を採用しているわけではありません)。

現在、RL360°を、日本で日本人が販売することは許可されておりません。ですから、日本人がこの商品を購入したいとなれば、基本は自分から香港のIFAなどにコンタクトを取って購入する、という流れになります。

IFAは海外の金融機関ですから、当然、日本国内では営業活動できません。

代わりに、IFAにユーザーを紹介するブローカー(仲買人)が、日本には多数存在しています。

多くの日本人は、そのブローカーの紹介によって、IFAを通じて海外金融商品を購入しているものと思われます。

仲介業者が手数料を毟り取る手口

IFAは、ライセンスを取って営業しているものの、そのレベルは一様ではありません。実際は、質の悪いIFAが少なからず存在しています。

IFAを紹介するブローカーについても、金融商品取引法の問題がある上に、金融経験や知識が乏しいブローカーが大半です。彼らは、きちんと商品の説明ができなかったり、中途半端な間違った情報をユーザーに説明したりすることによって、海外金融商品を販売しているケースが少なくないのが実情です。

たとえばRL360°の場合は、初期口座と呼ばれる積立開始後2年間使う口座と、貯蓄口座と呼ばれる、それ以降に使う口座とに分けられています。

初期口座については、手数料が高く設定されておりますが、その後に引き継がれる貯蓄口座の低い手数料によって、全体の手数料の割合が薄まる仕組みになっています。この仕組みによって、ユーザーは長期投資をすればするほど、全体に占める手数料の比率が下がっていきます。

ところがブローカーの大半は、最初の2年により多くの資金を投入させようと、ユーザーを口説くことが少なくありません。「最初の2年だけ頑張って、その後に減額すれば、積み立てが楽になります」という謳い文句ですが、これをしてしまうと、初期口座の高い手数料に、全体の運用利回りが負けてしまいます。

本当は、自分たちの手数料収入を多くするために、このようにいっているのです。

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