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ワクチン保冷庫“プラグ抜け”全国で多発、計約2100回分を破棄。「プラグを抜こう」呼びかけ疑惑の人物は反ワクチン勢を組織化する動きも

新型コロナウイルスワクチンを保管する保冷庫の電源プラグが、コンセントから抜けるという事象が全国で相次いでおり、ネット上ではその背景を巡って様々な声が飛び交っている。

時事ドットコムニュースの記事によると、プラグが抜ける事案は神戸市や兵庫県猪名川町、横浜市、千葉県市原市や埼玉県川越市、島根県大田市などで発生しているといい、これまで計約2,100回分のワクチンが廃棄を余儀なくされたとのこと。多くの自治体は、その原因を「不明」としているが、ワクチン保管用の冷蔵庫を製作するメーカーの担当者は「足を引っ掛けたり意図的に抜いたりしない限り、通常、プラグがコンセントから外れることはない」「自然に抜けたとも考えづらい」と語っているという。

いっぽうで同じ記事では、ツイッター上で「プラグを抜こう」というハッシュタグ付きの投稿が広がっていると紹介。また、ワクチンの危険性を訴える政治団体の党首を名乗るアカウントが、大田市の「プラグ抜け」を報じたニュースを引用し、「ありがとう。#プラグを抜こう」とツイートしたとも報じている。

全国の「プラグ抜け」で約420万円の損失か

ワクチン接種対象が高齢者から全世代に移行しつつあるなか、各地で頻発しているコロナワクチンの破棄。なかには管理上でのうっかりミスにより、破棄せざる得なくなったケースもあるようだが、このように原因不明のプラグ抜けがここまで多く、しかも全国的に起こっているというのは、かなり不自然な話だ。

これまで原因不明の「プラグ抜け」で計約2,100回分のワクチンが廃棄を余儀なくされたとのことだが、ファイザー製のコロナワクチンがだいたい1回分で2,000円程度ということで、計算すればワクチンの代金だけでも約420万円の損失。もっとも、その金額以上に、ワクチンの破棄によって早期の接種を望む人々の機会が奪われていることが、何よりも大きな被害といえるだろう。

ワクチン保管用の冷蔵庫にはアース付き3P式の電源プラグ、身近な生活家電だとオーブンレンジや洗濯乾燥機、エアコンなど大型製品に用いられるタイプのものが採用されているとのことだが、ネット上では「そんなプラグが勝手に抜けてたなんてコトある?」という声が。やはり故意でプラグが抜かれてるのでは……と、訝しむ意見が多く飛び交っている。

いっぽうで、「ワクチンの危険性を訴える政治団体の党首」と記事中ではぼやかす形で書かれている、国民主権党という政治団体を主催している平塚正幸氏。プラグ抜けのニュースに関して「ありがとう。#プラグを抜こう」とツイートしたとされるが、実はそれだけでなく、自身のフェイスブックとみられるアカウントでは、「ワクチン保冷庫の電源プラグを抜いた兵庫区役所職員は区民の命を救った救世主!」「全国の職員もプラグを抜いてどんどんワクチンを廃棄させ、人名を救おう!」といった書き込みをしていたという疑惑も浮上している。

ネット上で「これは犯罪教唆では?」との指摘もあがってこれらのコメントだが、本人は時事通信の取材に対して「アカウントが私のものか言う必要はない。投稿を見たことはある」と語っている模様。さらに現在、平塚氏のツイッターアカウントは凍結されており、さらにユーチューブチャンネルも規約違反ということで停止となっているようだ。偽アカウントも多数出現しているようで、さらに混乱を招く事態となっている。

組織化されつつある「反ワクチン」な人たち

このように時事ドットコムニュースの記事でも、全国で多発する「プラグ抜け」事案に何らかの影響を及ぼしているのではと、暗に仄めかされている平塚氏。そんな彼といえば、今年3月に行われた千葉県知事選に出馬したことを覚えている方もいるかもしれない。

政見放送で公開プロポーズを行った後藤輝樹氏、白塗りメイクで「千葉県全体をディズニーランドにする」との公約を掲げた河合悠祐氏、当選の暁には小池百合子都知事と結婚すると宣言した加藤健一郎氏など、個性豊かな候補が乱立して話題となったこの選挙に平塚氏も出馬し、コロナワクチンとマスク着用の危険性を訴え。結果は8人いた候補者のうち5番目の得票数だったが、それでも約2万という得票数を獲得。約626万人いるという千葉県民のなかに、他候補のどんな公約よりも「反ワクチン」「反マスク」という主張に諸手を上げて賛成するという人々が、それだけ存在するわけで、千葉県だけでなく全国にもそれぐらいの割合で、そういった思いの人が存在することも十分考えられそうだ。

いっぽうで、平塚正幸氏が率いる国民主権党で最近行っているというのが、今年6月から始めたという「ノーマスクコールセンター」という活動。これは子どもたちにマスクの着用をさせないことを目指して、依頼を寄せた保護者に代わって、活動有志が各地の学校や教育委員会などに抗議の電話を入れるというもので、国民主権党のサイトを見ると、すでに北は北海道から南は沖縄まで100件を超える学校への抗議の依頼があり、実際に電話でクレームを入れている模様。さらに抗議のやりとりや応対した相手の名前などを、国民主権党のサイト内に各自が記し、情報を共有しているようだ。

ここまで来ると、SNS上での呼びかけとかいったユルいレベルの連携ではなく、全国各地に存在する「反ワクチン」を信条とする人々が、いよいよ組織化されつつあるといった印象も受ける今の状況。このことが決して、現在取沙汰されている原因不明の「プラグ抜け」事案の更なる増加や全国拡大に繋がることのないよう、切に祈りたいところである。

Next: 「間接的に人様を死に導いている自覚はあるか?」辛辣な批判も

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