「微アルコール」の市場規模は?
アサヒビールによれば、20~60代の人口8,000万人のうち、日常的に飲酒を楽しむ人は2,000万人といわれ、それ以外のうち約4,000万人は飲めない、または飲めるけど飲まない人であり、約2,000万人は月1回未満の飲酒としています。
この日常的に飲酒をしない6,000万人の層にまさに、「微アルコール」の商機があるとみています。
では、『ビアリー』の飲酒対象者を2,000万から8,000万人を対象に広げていくことはロジック的には理解できましたが、新たな対象となる6,000万人のニーズは掘り起こすことができるのでしょうか。
味はビールそのもの。「おいしさ」で評価されている
アサヒビールによれば、「未開拓のマーケットでもあり、売り方は試行錯誤しながら、進めていく」と述べています。
これまでのノンアルコールビールは、ビールを飲む人のための商品でしたが、今回の『ビアリー』はすでに、「味」そのものが評価されていることからも、マーケティング次第ではこの分野の拡大余地はあると見ています。
そう、味が「ビール」そのもので「美味しい」と高評価を受けているのです。
実際、ビアリーは一度、ビールとして完成させたものを蒸留してアルコール濃度を低くする工程を経ているので、その意味で「味」の面でも消費者を満足させるものとなっているのです。
ビアリーの販売目標は?
では、『ビアリー』は、短期的にはどの程度の販売を目指しているのでしょうか。
グローバルで見ても、酒類市場の成長がフラットの中で、アルコール度数0-1%未満の微アルコール分野は6%程度の成長率になっています。
欧州では微アルコールは、8%の年平均成長と最も伸びています。一方で、アジアは日本も含め、3%程度の年平均成長率に留まっていて、まだ市場が活性化されていない部分があり、まだまだこれからのマーケットだと言えます。
『ビアリー』は、今のところ、明確な数値目標を設定していません。アサヒビールのアルコールテイスト清涼飲料の売上は、約320億円あり、今年は約400億を目指す計画としています。
ここに、『ビアリー』含めて「微アルコール」の売上が寄与してくる見通しとなっています。