fbpx

1年で株価5倍「日本郵船」は買いか?ピーター・リンチに学ぶ“大化け株”の掴み方=栫井駿介

日本郵船の今後は?

さて、これから何が起きるのかということです。

これまでかなり株価上がってきました。

そして業績も上昇してきたのですが、確かに言えることは業績、配当は必ず低下するというところです。

確かに船賃の価格上昇によって業績は上がってきたのですが、ずっと成長が続ける性質なのかというとまったくそうではありません。

やがてはコロナ禍は終わるでしょうから、落ち着いてきて価格も下がってくるということは間違いありません。

したがって単純にPERとか配当利回りで売買を考えると、大変なことになってしまいます。

利益が今すごく上がっているから良いですが、例えば今5,000億円の純利益が出ました。

これが1,000億円まで下がるとしたら、今PERが2倍だとしても10倍、2.5倍だとしたらPER15倍というところになって、割と平均的な水準になってくるというところです。

配当利回りに関しても同様で業績が下がるということは、配当性向にしたがって配当も減るということですから、高配当投資だなんて思って投資すると失敗してしまうのでその点は十分に気をつけていただきたいと思います。

ただ、だからといって株価が上がらないと言っているわけではなくて、先ほど利益が5分の1になるとしてもPER15倍という風に言いましたから、そんなに割高でもないようにも見えます。

しかし、それがさらに昔の状況に戻ってしまうようになると赤字ということもあり得ます。

少なくとも短期的に見れば大きく上がる可能性はあるのですが、このように業績が落ち着いてきた時にはピークアウトした時の下落はかなり速いというのも間違いないです。

これだけ株価が急上昇してくると短期的なトレーダーというのがどんどんやってきます。

そういう人達は上がっているうちはいけいけどんどんなのですが、下がり始めるたら一気に引き潮のように下がっていき、いなくなってしまいます。

その時には合わせて売りが売りを呼ぶ形で株価も急落するので、上がるかもしれませんが、どこまで上がるかというチキンレースになって、上がりきったらあとは当面下がるしかないというそういう銘柄になってきます。

ただし長期的な状況は改善しているとも言えます。

一度こうやって引き上げた価格というのは、わざわざ価格を下げようという動きにはなりにくいですし、こうやってONEという共同出資会社を立ち上げているぐらいですから、価格交渉力というのも頑張って付けてこようとしています。

その中で以前のようにずっと赤字が続くような状況にも戻りにくいのではないかなという風には考えられます。

もちろんそこまで考えた時に長期的なあるべき利益水準がどのくらいになるのかというところまでは、なかなか会社の人達自身ですら、ほとんど見通せてないのではないかという風に思います。

少なくとも以前よりマシになるというところは確かではないかと思います。

Next: ギャンブル的な動きになる?今から手を出すなら要注意

1 2 3 4
いま読まれてます

この記事が気に入ったら
いいね!しよう

MONEY VOICEの最新情報をお届けします。

この記事が気に入ったらXでMONEY VOICEをフォロー