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アフガン速攻制圧を成功させたタリバン支持者組織「スリーパー・セル」とは何か?日本で報道されぬタリバンの怒りと目指す政治=高島康司

8月16日、タリバンはアフガニスタンの首都・カブールを2週間もかからずに制圧してしまった。なぜこれほど早く首都を制圧できたのか?またタリバンは、今後どのような国を作ろうとしているのか?日本ではあまり報道されてない情報を中心にお伝えしたい。(『未来を見る! 『ヤスの備忘録』連動メルマガ』高島康司)

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アフガンが「テロの温床」となる?

アフガニスタンのタリバンが早期に勝利できた理由と、今後の展開について解説したい。日本ではあまり報道されていない情報を中心に紹介する。

アメリカ軍の撤退が完了する8月31日のかなり前に、タリバンがアフガニスタン全土を制圧した。タリバンは現在カブールにいて、崩壊したアフガン政府から復活した「アフガン・イスラム首長国」への、平和的な権力の移譲を交渉している。

アフガニスタンのアシュラフ・ガーニ大統領は、ウズベキスタンに逃亡し、ハミド・カルザイ前大統領、アブドラ・アブドラ前首席補佐官、グルブディン・ヘクマティアル前首相は、政権移行を促進するために、タリバンと交渉していると報じられている。

また、タリバンは17日に記者会見を行った。タリバンの報道官は、「誰にも報復しない」と述べたうえで、目指す新政権は「包括的なものだ」として、すべての民族との融和を図るとした。「女性の権利を保障する」とも強調したが「イスラムのシャリア法の範囲でだ」として、報道の自由も含め、一定程度の制限をかける考えも示した。

一方、米国のバイデン大統領は16日、ホワイトハウスで、タリバンによるアフガン制圧後、初めてとなる演説を行い、アフガン政府の崩壊が「想定よりも早かった」と見通しの甘さを認めた。「米国の国益に合致しない戦いを、無期限に続けるような過ちは繰り返さない」として、駐留米軍撤収の正当性を改めて訴えた。

しかし、バイデン政権の撤収堅持の姿勢には、米国内外から批判が強まっている。バイデン氏は演説で「米国は、軍が駐留していない複数の国においても、効果的な対テロ作戦を実施している」と強調した。国際テロ組織「アルカイダ」とのつながりを保っているとされるタリバンの復権で、アフガンが再び「テロの温床」となるとの懸念が大きくなっている。

なぜ、こんなに早くタリバンは勝利できたのか?

いま日本の主要メディアでも、アフガニスタン情勢が連日伝えられ、「アルカイダ」などによる国際的なテロリズムが、再度、世界を席巻することになるのではないかという懸念と危機感を煽っている。

しかし、それにしてもタリバンは、アフガニスタン全土を掌握するのはあまりに早かった。

タリバンは、米軍撤退の動きが活発化した8月初旬から2週間も経たないうちに、主要都市と首都のカブールを制圧し、アフガニスタン全土を掌握した。

この間、アフガニスタン政府軍との戦闘もほとんど起こらず、政府軍の兵士の大半は逃亡するか、降伏した。

バイデン大統領は、アメリカによって支援され、訓練された政府軍は30万人おり、タリバンの進攻から国土を防衛することは問題なくできると考えていた。

また最悪の展開になったとしても、タリバンがカブールを攻略するには3カ月はかかると見ていた。2週間もかからずに、アフガニスタン全土を掌握してしまったことは予想外だった。

アメリカに支援されたアフガニスタン政府軍が存在するのに、なぜこれほどまでに早期にタリバンは勝利できたのだろうか?これは、多くの主要メディアでいま問われていることだ。

Next: タリバン支持者のネットワーク「スリーパー・セル」が暗躍か

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