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竹中平蔵、ブラック企業の生みの親。この男の「人材使い捨て」思想が日本の若者を今日も殺している=鈴木傾城

ブラック企業のように悪質な会社は消えることはない

ブラック企業ではない普通の会社で働いても、合わない仕事であればストレスになるだろう。そのストレスは、小さなダメージが波状的に襲いかかって真綿で首を絞められるようなイメージである。

あるいは、それはボディブローにも例えられるかもしれない。腹部を執拗に打たれ続けるのはノックダウンにつながらないのだが、少しずつ体力が奪われて最後には動けなくなっていく。

毎日毎日、仕事を続けることによって自分が追い詰められているのが分かっていながら、そこから逃れられない。

何らかのしがらみや、金銭的な事情や、惰性や、あきらめに飲まれて、「地獄」にそのまま居続ける。仕方がない、と思ってしまう。そして、自分が病んでいくのを分かっていながら避けられず、気が付いたときは手遅れになっている。

しかし、ブラック企業の方は最初から大きなストレスとダメージで襲いかかり、一気に潰されるのだ。極限まで酷使されて潰され、使えなくなったらゴミのように捨てられる。ブラック企業は最初から潰す気で従業員を使う。

こうしたブラック企業のように悪質な会社は消えることはない。「従業員なんか使い捨てて、壊れたら捨てて代わりの人間をまた非正規雇用で連れてくればいい」と考える経営者は山ほどいるからだ。

そうしたブラック企業では誰もが消耗し、疲弊する。そこは人間のいる場所ではないのである。長く続けても何ら実りがないばかりか、心身共に消耗してしまう職場がブラック企業である。

「人間のいるべき場所ではない」のだから、そこにいればいるほど人生を無駄にすることになる。しかし、分かっていても辞められない。

地獄でも我慢しているのは、そのほとんどが収入の問題

耐えられないような重度なストレスで自分が潰れる結末が見えているのであれば、それは自分の世界ではない。自分の居場所ではない。そうだと悟ったのであれば、そこから抜け出るのが最適の選択となる。

環境のほうを変えるように努力するという生き方もあるが、その世界に人生を捧げるつもりがないのであれば、それ自体が苦痛の人生になってしまう。

だから、基本的には自分がしたいことができる場所に行くのが正しい。他人にとって何でもない世界でも自分が地獄と感じるのであれば、「そこから抜け出る」というのが正しい答えになる。

ブラック企業で奴隷扱いされているのであれば、実のところ早く辞めた方がいいのは当然だ。潰れる前に飛ぶ方が、潰されて再起不能になるよりマシだからである。

もちろん、それは口で言うのはたやすいが、実際は「苦渋の決断」になるのは間違いない。ブラック企業であるとは言え、そこに生活基盤がある場合、抜け出すことによって明日から大変なことになる。

「せっかく入った会社を辞めるのか?」「辛いのはお前だけではない」「我慢して一人前になるんだ」と批判されるだろう。

辞めても先の見通しが立たずに、強い不安にさいなまれるのは必至だ。多くの場合は、収入が途絶えることがネックになり、そこから抜け出す決断ができなくなる。地獄でも我慢しているのは、そのほとんどが収入の問題だ。

Next: 自分の致命傷にならないように一刻も早く逃れる決断をすべき

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