意地悪な人物から何らかの「攻撃」を受けたら、自分の存在や心をどう守っていけばよいのでしょうか。ビジネス心理学講師がクレバーで上手な対処法を教えます。(『神岡真司の人生逆転の心理術』)
※本記事は有料メルマガ『神岡真司の人生逆転の心理術』2021年9月6日号の一部抜粋です。ご興味を持たれた方はぜひこの機会に今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。配信済みバックナンバーもすぐ読めます。
ビジネス心理研究家。日本心理パワー研究所主宰。法人対象のモチベーショントレーニング、組織活性コンサルティング、心のパワーアップセミナーなどで活躍。著書に『思い通りに人をあやつる 101の心理テクニック』(フォレスト出版)、『苦手な相手に勝つ実践切り返し術』、『必ず黙らせる「クレーム」切り返し術』(日本文芸社)、『効きすぎて中毒になる 最強の心理学』(すばる舎)など多数。
意地悪な人物の攻撃から「自分の存在と心」を守る方法
今回のテーマは「意地悪な人物や厄介な相手からの自分への何らかの『攻撃』に対して、自分の存在や心をどう守っていけばよいのか?」について解説していきます。
あなたには、職場や学校で、意地悪な仕打ちをしてくる苦手な相手はいませんか?
そんな存在の人物はいない――と断言できる人は幸せです。この世の中では、いつもあなたの味方になってくれる優しい親切な人ばかりとは限らないことが多いからです。
あなたを目障りな存在、気に食わない人物として「 敵視 」し、執拗にあなたの足を引っ張り、隙あれば、あなたを蹴落として苦しめたい――という願望をもった人物が出てきてしまうのも世の常といってよいからなのです。
なぜ、あなたを嫌い、攻撃してくる人物が出現してくるのか――このへんを今一度、冷静に、客観的に分析し、どう対処すべきかをしっかり考えておくことも重要でしょう。
つねに自分の存在と心を守り、周囲と共存共栄し、快適に生きていく方法は、人生の重要な知見であり、処世の術でもあるからです。
ただし、ここで紹介する対処法は、あなたに攻撃を仕掛けてくる相手に対し、すぐさま反撃の狼煙をあげ、相手をコテンパンにやっつける手段や方法ではありません。
敵の攻撃に、あなたがたちまち怒りだして、闇雲に反撃するだけでは、相手とは泥沼の関係に陥り、ますますあなたの心が荒み、相手と憎しみ合うだけの無間地獄に巻き込まれてしまうからです。相手の挑発にまったく動じない、毅然とした、冷静な態度を示すことが、ここでは大事だからです。
レベルの低い、幼稚で卑怯な相手と、同じ土俵に立ってはいけないのです。それは、周囲からの、あなた自身への評価まで落としてしまうからなのです。
ここではクレバーで上手な対処法を覚えておき、スマートにエレガントな行動で立ち回ってほしいのです。
それがあなたの人生を確実に幸福につなげていく正攻法に他ならないからです。
なぜあなたは敵視されるのか?「攻撃」の裏に7つの心理
人が人を嫌いになるパターンには、次のような7つほどの感情に、その理由や原因が隠されています。
・軽蔑……あなたの行動や話し方、服装、態度、マナーなどに下品な要素を見出したりして、生理的嫌悪感を覚えた時
・嫉妬……あなたの性格や能力を自分と同等か、それ以下と見下していたのに、周囲の評価が自分より高く、あなたが好待遇されているように見えた時
・裏切り…あなたが自分の期待に応えてくれないと思えた時や、自分への約束を守ってくれないことがあった時
・軽視……あなたから自分を軽く扱われていると思えた時
・否定……あなたから自分の存在を否定されたり、排除されるような扱いを受けたと感じた時
・投影……自分が嫌っていることやタブー視して禁じたり、封印している事柄を、あなたの言動の中にあからさまに見出した時。たとえば、あなたが見栄を張る、ケチ臭い行動をとるなどで、自分の心がかき乱された時
・差別……自分の属性や家庭環境、組織、仲間、宗教、人種など、自分と異なる部分に違和感を覚え、排除したい欲求に駆られた時
大体、こんなところなのです。
あなたから自分のもつ承認欲求(認められたい、ほめられたいという本能的願望)が否定されたと感じた時に、人は疎外され、否定的な扱いを受けたような感情に突き動かされます。
つまり、あなたの何気ない言葉であっても、相手は潜在意識であなたを脅威に感じ、勝手に嫌いになってくることも十分あるのです。
たとえば、あなたが、「家の中で犬とかの動物を飼うのは、不潔な感じがして、私は嫌だな」などと一言発したセリフでも、人によっては、「何だとコイツ、俺が部屋でペットを飼ってるのを、不衛生だってバカにしやがったな」と思う人もいるわけです。
また、あなたが、「毎月、住宅ローンの支払いがきついな…」などとぼやいただけなのに、「何だとコイツ、マイホームをもってることを暗に自慢しやがって、借家住まいの俺を見下してやがる」などと内心腹を立てる相手は、どこにでも存在するわけなのです。
これはもう、どれだけ自分の言動に注意を払っていようとも、防ぎようのない事態なのです。つまり、「ぶりっ子」しているつもりがなくても、人は勝手に「ぶりっ子野郎」と決めつけるからです。
つまり、相手は勝手に動物的本能をはたらかせ、あなたを味方ではない「異物」と感じ、「敵」のような存在と無意識に認識してしまうのです。このように厄介なのが人間社会なのです。
相手は、深層心理であなたの存在を「脅威」と感じています。
あなたに対し、何らかの「脅威」を感じていればこそ、あなたへの警戒心は高まります。そのため、あなたの言動や存在そのものさえが許せなくなるのです。
これが「嫌い」という感情のメカニズムです。