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ワクチン一本やり策の限界露呈。接種率「米国超え」も見えぬ経済再開、コロナ対策の転換必須=斎藤満

ワクチンは万能でなかった

ところが、インド由来の変異ウイルス、デルタ株の登場以来、ワクチンが万能でないことが判明しました。

ワクチン接種の進んだ国や地域でも新規感染者数がまた増えています。米国では死者の数も増えています。このため、イスラエルではすでに3回目の「ブースター接種」が始まり、米英でも3回目の接種を推奨するようになっています。

この点で、まだ科学的に十分な説明がなされていない問題がいくつか出てきました。

まずワクチンと感染防御の関係について、多くは「ブレークスルー感染」と言って、ワクチン接種をしても変異株の中にはこれをかいくぐって感染するケースが多いと言います。

接種率の高い欧米でまた感染が拡大しているので、日本も今後また拡大する可能性が懸念されています。

また同時に、感染は季節的な変動が避けられず、夏と冬には増えると言います。

このため、日本では現在「夏の感染」が峠を超え、減少に向かっていますが、冬場にまた第6波が襲うという見方が医療専門家の間からも聞かれます。

その点、少し前には若い人のワクチン接種を優先すれば、冬の第6波は回避されるとの見方がありましたが、今の接種率ではどうなのか、デルタ株でこれも崩れたのか、説明が聞かれません。

医療専門家からはワクチン接種による集団抗体の獲得は難しくなったと言います。

それでも国民の過半が感染したインドでは経済や生活が日常を取り戻し、欧州やイスラエルでは感染が拡大しても重症化が回避されているとして、感染拡大でも規制を緩和しています。

日本では医療現場が依然としてひっ迫しているので、これ以上重症患者を増やすわけにはいかないと専門家が言います。

副反応とワクチン拒否の自由

医療専門家の中にはワクチンのブースター接種に慎重な見方があります。

ワクチン接種の回数が増えると、それだけ副反応や接種による死亡リスクも高まるとの見方があります。日本ではワクチン接種後に亡くなった人が1,000人以上になりましたが、当局からはワクチン接種との関連性は不明として説明がありません。

この不安から、ワクチン接種を拒む人が少なくありませんが、米国ではワクチン・パスポートがないと、コンサートや飲食店の入店ができないケースがあり、客との間でトラブルも発生しています。

ワクチンの安全性が十分説得できない中で、接種の義務化を進めることに米国やフランスで強い反発が見られます。

Next: 遅れる経済再開。戦略の練り直しが必要

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