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習近平が青ざめる「一人っ子政策」の後遺症。男余り3000万人、婚活に持ち家必須で不動産高騰の悪循環=斎藤満

成長維持のために債務が急増

中国経済は2010年代前半まで高成長を続けましたが、その裏には人口増加、とくに生産年齢人口の増加という「人口ボーナス」が大きく寄与していました。

ところが、「一人っ子政策」の結果、生産年齢人口が減るようになり、「人口ボーナス」は「人口オーナス」に転じ、経済成長を阻害するようになりました。

その前の2008年にリーマン危機が起こり、世界経済急落の影響を緩和するために、中国は大規模な財政金融支援策を打ち出しました。

中国はいち早くこの危機から抜け出し、世界経済にも大きく貢献しましたが、その一方でこれを機に中国は巨額の債務を抱えることになりました。

その後も労働力の縮小による成長力の低下を、公共事業などの財政支出拡大で補ってきたため、中国の債務は拡大の一途をたどりました。

BIS(国際決済銀行)やIIF(国際金融協会)の統計によると、足元での中国の政府も含めた総債務残高はGDPの300%を大きく超え、民間債務だけでもGDPの220%に達しました。

これはバブルが崩壊した当時の日米の民間債務を上回る規模になります。

人口増をはばむ生活コスト高

この人口の歪みを正そうと、中国政府はまた出生数を増やそうとしているのですが、現実はうまくいっていません。子どもを3人まで持てるようにしたのですが、依然として出生数は増えません。

その原因が、子どもを育てるコストが膨大になり、複数の子どもを育てる資金面の余裕がないといいます。

実はここにも「一人っ子政策」のツケが回っています。

どうせ子どもを1人しか持てないなら、跡取りの男の子を残したいということになり、子どもの男女比率が大きくゆがみました。

結婚適齢期の男女数をみると、男子の数が3,000万人以上も多くなっていて、花嫁を迎える競争条件が厳しくなっています。

今では高学歴高収入で家付き、自動車付きが結婚の必須条件といいます。

このため、親は無理をして子どもを学習塾に通わせ、良い大学に入れるために、厳しい競争に立ち向かいます。このために学習塾などの補助教育コストが膨大になっています。

また、男子は結婚するまでに車や家を買わなければならず、親の支援が必要になります。

こうした環境が長く続いている中で、中国の自動車市場は世界一の規模になり、中国の住宅価格は高騰しています。

大都市での新築住宅価格は個人の年収の23倍から25倍と言われ、中には年収の50倍という物件も少なくないといいます。

子どもを持つということは、このような高い教育コスト、自動車、家を用意することで、子どもは1人が精一杯というところがほとんどといいます。

Next: 習近平「富裕層いじめ」のあおりをくらう教育・不動産業界

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