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オミクロン株、本当に南アフリカが発生源か?日本で報道されぬヨーロッパ起源説と毒性の弱さ=高島康司

本当に南アフリカが発生源か?

このような市場のパニックを背景に、各国は「オミクロン株」を最初に報告した南アフリカ、ならびにその周辺国に対する入国制限を一斉に適用した。

これに対し、南アフリカ政府は強く抗議し、国連のグテーレス事務総長もこれを支持している。「オミクロン株」の存在を「WHO」に最初に報告した南アフリカは感謝されこそすれ、入国制限というような制裁の対象になるべきではないという理由だ。

もちろん「オミクロン株」の発生を最初に報告したのが南アフリカであることは間違いない。だが、この変異株の発生源は南アフリカであるかどうかは分からない。

11月26日、南部アフリカのボツワナ共和国保健省は「オミクロン株」の発生源に関する公式声明を出し、全文をツイッターにも発表した。それによると、「オミクロン株」は、国際会議のために入国したワクチン接種済みの外交官4人から検出されたとのことだった。

ボツワナ政府の関係者は外交官の出身国を明らかにしていないが、いくつかのメディアが詳細を確認したところ、11月8日から12日まで同国のカサネ市で開催された「アフリカ・ワイルドライフ・コンサルテーティブ・フォーラム」に数名の外交官が出席していたことが分かった。この国際会議は、バーチャルと会場で行われるハイブリッドイベントだった。
※参考:AWCF | AWCF Forums Past & Present

匿名を希望する主催者のスポークスマンによると、フォーラムに参加していた4人の外交官が健康上の問題を抱えていたようで、開催前日にフォーラムから退出したとのことだった。先のボツワナ共和国保健省の公式声明では、ゲノム解析で彼らは後に「オミクロン株」と呼ばれる変異株に感染していたことが分かった。3人はイギリス人、1人はナイジェリア人であることが明らかになっている

もしこの4人の外交官が「オミクロン株」の南部アフリカにおける最初の感染例であれば、ナイジェリアの他に、ワクチン接種率の高いイギリスからも感染した可能性があるということになる。

南アフリカの前にオランダでも発見

このように、最初に確認された「オミクロン株」の感染は、ボツワナで行われた「アフリカ・ワイルドライフ・コンサルテーティブ・フォーラム」に主席予定の外交官からだった。

3人はイギリスの外交官で、開催日前日の11月7日にボツワナを出国している。これは「オミクロン株」が南アフリカではなく、ヨーロッパで発生した可能性を示唆している。

またオランダでも、南アフリカで確認される前に「オミクロン株」は発見されている。オランダ当局によれば、南アフリカから到着する前の11月19日から23日にかけて、オランダ国内で採取された2つの検査サンプルで「オミクロン株」はすでに検出されていたという。

「オミクロン株」は、これまで考えられていたよりも早くオランダに存在していたのである。

感染が確認された人たちが、アフリカ南部を訪れたかどうかは明らかにされていない。

Next: 「オミクロン株」に感染した例で、重症報告は現在のところない

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