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オミクロン株、本当に南アフリカが発生源か?日本で報道されぬヨーロッパ起源説と毒性の弱さ=高島康司

「オミクロン株」の毒性は弱い?

このように、「オミクロン株」が最初に発生した地域は南アフリカではない可能性がある。

いまこの変異株は24カ国で確認されている。そのうち19カ国はアフリカ以外の国々だ。南アフリカ政府による最初の報告は11月24日だから、恐ろしく早いペースで拡散したことになる。これは2019年12月に中国の武漢で存在が確認された「初期武漢型」のウイルスよりもかなり早い拡大ペースだ。

これは「オミクロン株」の感染力が極端に強いからでもあるだろう。だが、もし「オミクロン株」が行動規制が解除され、国境を越えた人の往来がかなり自由化されているヨーロッパが感染源だとするなら、この短期間の急速な拡大も十分に説明がつく。ヨーロッパが感染源である可能性は大きいように思う。

「オミクロン株」は急速に拡大している。それに対していま世界がパニックしているような状態だ。

しかしながら、この変異株はさほど恐れる必要はなく、むしろパンデミックのこれからの展開としては朗報ではあることを示唆する情報もある。実は「オミクロン株」の毒性はかなり弱く、感染者は軽症で早く回復するというのだ。

「オミクロン株」を最初に発見した南アフリカの医師は、この変異株の症状は今のところ軽度なので、入院する必要はなく、自宅で治療できると述べている。開業医で、「南アフリカ医師会」の会長を務めるアンジェリーク・クッツェー医師は、11月18日に自分のクリニックで7人の患者が、「非常に軽い」とはいえ、支配的な「デルタ株」とは異なる症状を示していることに気づいたと語った。

クッツェー医師によると、ほとんどの患者が非常に軽度の症状を呈しており、入院した患者はいないとのことだ。「私たちは、これらの患者を自宅で治療することができました」と述べている。

そして症状だが、クッツェー医師にると、これまでの「デルタ株」とは異なり、患者が嗅覚や味覚を失ったという報告はなく、また酸素レベルが大きく低下することもないという。もっとも一般的な症状は、1~2日の激しい疲労感、そして頭痛や体の痛みなどだとしている。

クッツェー医師のこれまでの治療した「オミクロン株」の感染者の多くは、40歳以下の人々で、そのほぼ半数は、ワクチンを接種していなかった。

「オミクロン株」で重症化した例は報告されていない

このように、最初に「オミクロン株」の感染者を治療した医師の報告では、症状はかなり軽度で入院の必要性もないという。世界の他の地域で確認されたこの変異株の感染者も同じような状態のようだ。軽症か無症状で、重症化した例の報告はいまのところない。

しかし、もちろんこれはまだ一般化できない。「オミクロン株」は発見されたばかりで、まだ分からないことのほうが多いからだ。もしかしたら、重症化して死亡する例も出てくるのかもしれない。もう少し待たなければならない。

だが、もし「オミクロン株」は「デルタ株」などに比べ毒性が弱く重症化するリスクが小さいのであれば、これは朗報だろう。「オミクロン株」の感染力は非常に高い。「デルタ株」の500倍である。ということは、「オミクロン株」は急速に既存の「デルタ株」を押しのけ、これと入れ替わることを示している。今度は「オミクロン株」による新たなパンデミックの波が発生するのだ。

しかし、もし「オミクロン株」の毒性が弱く、感染しても自宅療養で済む程度の軽症であれば、これはむしろ朗報となるだろう。いま多くの専門家がこのように見ているようだ。

Next: 一部の学者は「オミクロン株」の毒性の弱さを示唆

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