先の衆院選であえなく落選となった石原伸晃元自民党幹事長の事務所が、コロナ禍における雇用調整助成金・緊急雇用安定助成金を受給していたと報じられ、SNS上では批判の声が渦巻いている。
記事によると、石原氏事務所の2020年収支報告書に、雇用安定助成金として約23万円(4月分)、18万円(4月分)、18万円(5月分)との記載があり、計60万8,000円の助成金を受けていた模様。ただ、同事務所の収入は2019年は年間約3,900万円、20年は約4,200万円と、コロナ禍で資金に窮しているようには見えないという。
石原氏の事務所はこの件に関して、「支部において所管当局に確認した上で申請しているところです」とコメントしているという。
改めて批判を集める過去の「ナマポ」発言
最近では「日本旅行業協会」の会長が代表を務める旅行会社が、事実に反する申請を行った疑いが浮上して大騒ぎとなるなど、不正な受給が大きな問題となっているこれらの助成金。政治団体が受給することに関しては、厚労省によると「条件を満たせば、受け取ることができる」と、問題は無いとのことだが、とはいえ道義的にどうなのよ……といった声はやはり多いようだ。
またSNS上などで指摘されているのが、あえて収入が減っているように見せかけたのではという疑い。政治団体の収入源といえば寄付金や政治資金パーティ、政党交付金が主と、定期的な収入がないのがひとつの特徴でもあり、それが故に月によっては収入が減っているように見せることが容易だというのだ。
さらに、今回の疑惑発覚がきっかけで改めて批判の声が集まっているのが、伸晃氏による過去の「ナマポ」発言。
「ナマポ」とは生活保護の蔑称として用いられるネットスラングだが、伸晃氏は自民党幹事長だった2012年、報道番組に出演した際にこの言葉を使ったうえで、「『(生活保護を)ゲットしちゃった』『簡単よ』『どこどこに行けばもらえるわよ』。こういうものを是正することはできる」などと発言していたのだ。
このように、過去にはまるで生活保護利用者を揶揄するような物言いをしておきながら、現在では同じく血税が原資の助成金を何食わぬ顔をして受給していることに対して、ネット上では「石原伸晃の方がよっぽど国民の税金で甘い汁を吸っている」「きたないなさすが伸晃きたない」などと、痛烈な批判が多く寄せられている状況だ。
生活保護受給者を「ナマポ」と揶揄しておきながら、自分は落選したのに内閣官房参与に就いたり、事務所の収入が減っていないのに雇用調整助成金約60万円を不正受給していたのが石原伸晃。
生活保護受給者より石原伸晃の方がよっぽど国民の税金で甘い汁を吸っている。pic.twitter.com/fdnRxzjMkZ
— 大神ひろし (@ppsh41_1945) December 7, 2021
生活保護を「ナマポ」と揶揄しつつ「不正受給を正すべき」と言っておきながら自分は減収していないのに助成金を受給。
衆院選で落選するも、恣意的なスポイルズシステムにより内閣官房参与に任用される。
放置されている市民そっちのけで無症状で即時入院。
きたないなさすが伸晃きたない(՞ةڼ◔)
— 法學院狂魔 (@Adepteater029) December 8, 2021
比例復活もできない大敗北を「時の運」とする伸晃氏
伸晃氏といえば、落選して間もないにもかかわらず、岸田首相によって内閣官房参与に任命されたことでも、目下のところ批判を集めているところ。
そんな伸晃氏だが、落選後の参与就任に批判が出ていることに関して記者に問われ「総選挙は、わたしの不徳の致すところ、勝負は時の運だ」とコメントしたという。
しかしながら、実際のところは比例復活もできないほどの大敗だったワケで、そこまで来れば真っ当な感覚の持ち主なら、“時の運”以上の根本的な理由があるのではと考え、改めるべきところは改めるところ。ただ伸晃氏は、そんな素振りを一切見せない。
思えばコロナ感染拡大中の折も、病床が逼迫する危機的状況にも関わらず、自身は感染するやいなやすぐさま入院したことでも、批判の的とされた伸晃氏。要は社会弱者などの他人にはとことん厳しい反面、自身や身内にはことごとく甘いという姿勢が見透かされたことも、有権者の支持を失ったひとつの原因といえそうだが、そのことをまったく自省する気がなさそうな彼には、今後も有権者から厳しい視線が注がれ続けることは間違いなさそうだ。
Next: 「本当に、最初から最後までとことんカネ目だな」