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覚えておきたい「GW明け下落、5/17反転上昇」のパターン=櫻井英明

櫻井英明さんの無料メルマガ『兜町カタリスト』より、この連休中の相場動向とGW後半から6月前半にかけての興味深いデータをご紹介します。今年が過去2年と同じなら――

今年が14~15年と同じなら…頭に入れておきたい相場パターン

GW後半戦はネガティブサプライズなし

東京休場中のNYダウは、2日117ドル高、3日140ドル安、4日99ドル安、5日9ドル高。先週末の17,773ドル→17,660ドルと110ドル余りの下落となった。同様にNASDAQは58ポイント、S&P500は14ポイントの下落。ドル円は、一時105円台まで約1年半ぶりの円高トレンドとなったが、直近は107円台。

【関連】11月まで円高・株安が続くも、1ドル105円で一旦は下げ止まりか=長谷川雅一

「海外は微妙な状況。3連休中にひどい状態でなかったことはホッとするところ」という声が聞かれる。今夜発表の米雇用統計を待つ姿勢も見られる。昨日発表されたADP雇用レポートは、民間部門雇用数が15.6万人増と3年ぶりの小幅増で着地。雇用統計は非農業部門雇用者数が20.2万人増と予測されている。

雇用統計通過後は、トランプ氏の大統領候補の可能性英国のEU離脱問題ギリシャの財政健全化計画など、地雷は多くどこで薄氷を踏むかは微妙な状況。

3市場の売買高は、約73億株と通常ペースだった。

安倍晋三首相はロンドンで記者会見。「伊勢志摩サミットでは必要に応じて為替についても議論されることになるのではないか。為替市場については急激で投機的な動きが見られている」とコメント。

3日には麻生財務相がフランクフルトで「投機的かつ急激な円高を懸念しており、必要なら対応する」とコメント。円高トレンドについての懸念を示しており、多少の決意は感じられたのか円高トレンドは小休止。それでも107円台だから、東京株式市場にとって優しくない状況は継続。

シカゴ225先物は、16,045円で3連休前の大証先物比95円安。とりあえずGW後半戦はネガティブサプライズはなかった格好。あとは米雇用統計を待ち、米利上げの姿勢を探る展開になろうか。

この急落は一過性とみる

日経平均株価は、25移動平均(16,595円)からマイナス2.7%のかい離。騰落レシオは、88.98%。松井証券信用評価損益率は、売り方マイナス4.645%、買い方マイナス11.615%。大きく売り方優勢に変化した指数は軟調展開が継続しているが、中小型銘柄や新興市場株は個別に物色。バイオやIoT関連、ゲームなど「森ではなく木を見る」が必要となろう。

今回の急落の背景は、GWというスケジュールに乗じた格好で、日銀の追加緩和期待という悪魔のささやきのような途方もない甘言に膨らんだ風船がしぼんだだけのこと。4月の安値を切っていないところを見るとこの剥落も一過性のもの。大きく震えることもないだろう。アノマリー的には6日反発、9日下落となっている。

今月は「ニッポン一億総活躍プラン」の骨格が発表される。日本再興計画に昨年失望感が漂ったのは記憶に新しいところ。今回はどうだろうか。「一億総活躍」のポイントは、「少子・高齢化による労働力人口の減少で、日本経済の成長力喪失阻止」。

(1)高齢者の継続雇用や定年延長策
(2)待機児童問題の解消
(3)長時間労働の是正
(4)非正規雇用の待遇改善

社会的要請も背景に感じられるが、選挙的要素が多いような気がする。どうもマーケット的インパクトには欠けそうな気配。むしろGDP600兆円計画に期待だろうか。というか、いっそのこと「マーケット総活躍プラン」でも発表してほしいところ。

Next: 2001年以降のGW前後値動きパターン~5月17日に下げ止まり上昇する?

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