いま市場では「さらなる円高が進む」との予想が大勢を占めているようです。実際、右を見ても左を見ても「円高材料」ばかりで、ドル高の余地など皆無に見えます。ただ、僕は「この先、一気に、さらなる円高が進む動きにはなりづらいのではないか」と見ています。(『長谷川雅一のハッピーライフマガジン』長谷川雅一)
プロフィール:長谷川雅一(はせがわまさかず)
1959年、岐阜県生まれ。株式会社プレコオンライン(金融商品取引業)代表取締役社長。2000年より株式投資の研究を始め、日本で初めて「株の自動売買」という言葉を使った著書を出版。株式投資の世界では、「株の自動売買」ブームの火付け役として知られている。現在は、自動売買ソフトの開発、投資教室、メルマガの執筆など、多忙な日々を送っている。
テクニカル的に115円まで反発の可能性、ただし戻りは一時的
連休明けが怖い?一時1ドル105円台をどう見るか
投資家にとっては「波乱のゴールデンウイーク」となりました。米ドル/円が一時、105.50円付近まで下落(円高に)。
本メルマガの2016年2月24日号で、僕は「円高のゴールは105円」と書きましたが、その予想が現実となりました。
※円高の「ゴール」は105円 特に驚くこともない妥当水準を目指す=長谷川雅一
欧米の株式市場も、のきなみリスクオフの動きになっており、さえません。
日本の株式相場は「お休み」ですが、連休中も日経平均に連動する「シカゴ日経225先物」は動いており、一時15,800円付近まで下落しました。もちろん、急激な「円高」に連動しての下落でした。
4日(水)の段階で、米ドル/円は、いったん107.40円付近まで上昇する場面がありましたが、いぜんドル売りが優勢。
為替の影響を受けやすい日本株も、まだしばらく低迷する可能性がありそうです。「6日(金)の株価がどうなるか怖い」という方も、いらっしゃるでしょう。
予想できた日銀会合の「現状維持」
今回の円高のキッカケになったのは、言うまでもなく4月28日(木)に、日銀が、金融政策の現状維持を決めたことです。
でもこれ(日銀の現状維持)、実は予測が可能でした。事前に、本田内閣官房参与が、「4月の追加金融緩和はない。6月にやる」という主旨の発言をしていたからです。
この発言は、なぜか大きく報道されませんでしたが、細かくニュースをチェックしていれば、誰でもキャッチできた情報です。やはり、トレードをしている限り、ニュースチェックは怠れません。
株価は「単なるウワサ」で上昇していた
逆に、この「本田発言」の前に出た、出所のハッキリしない、「日銀が銀行への貸し出しにマイナス金利を付与する可能性あり」というニュースは、大々的に報道されました。
この「いかがわしい」情報(単なるウワサ?)で、28日のお昼まで、株、為替が上昇していたのです。
※日銀プレー?ブルームバーグ報道を信じて狩られるのは個人投資家=長谷川雅一
そして、28日(木)の正午頃。日銀の「現状維持(追加金融緩和なし)」が発表されると、米ドル/円は一気に3円急落。日経平均も600円ほど急落しました。
ところが、株と為替の暴落は、これで終わりませんでした。そのあとさらに、さまざまな「悪材料」が飛び出したからです。