なぜ金融引き締めが必要なのか?
まず、そもそもなぜ金融引き締めを行わなければならないのでしょうか。
金融緩和の最大の副作用はインフレです。
これはアメリカの消費者物価指数の推移ですが、元々1.4%ほどだったものが直近で6.8%というかなり高い数値となっています。
これだと、毎年10%近くずつ物価が上がっていくということになっています。
そうなると困るのが貧困層や年金などで暮らすお年寄りです。
インフレが起こる要因の1つは供給が需要に追い付いていないということがあります。
そして、石油や石炭などのコモディティーは、需給の問題もありますが、お金が余っているから少しでも儲かるところに手を伸ばそうという投機的な動きも生まれ、価格を引き上げてしまうことになります。
これを止める1つの手段が、金融引き締めです。極端なインフレで生活を困窮させないために必要となってきます。
なぜ金利が上昇すると、成長株の株価が下がるのか?
では、なぜ金利が上昇すると特に成長株の株価が下がるのでしょうか。
論理的にはこの計算式で説明できます。
成長率が高いということは、分母が小さくなる、つまり、許容されるPERが大きくなるということになります。
しかし、成長率だけが重要なわけではなく、金利も重要となってきます。
例えば金利が7%から10%に上がったとすると、許容されるPERが50倍から20倍に下がることとなり、株価は60%下落することになります。
つまり、成長率が高いほど金利に対する感応度が高くなるということです。
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