ロシアのウクライナ侵攻で、モスクワ証券取引所では大暴落が起きました。投資の格言に「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」というものがありますが、そうなるのでしょうか?有事の際に注意すべきポイントや注目商品について解説します。(『花輪陽子のシンガポール富裕層の教え 海外投資&起業実践編』花輪陽子)
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外資系投資銀行を経てFPに。2015年からシンガポールに移住。ジム・ロジャーズ著『日本への警告 米中朝鮮半島の激変から人とお金の動きを見抜く』(講談社+α新書)をインタビュー監修。『シンガポールで見た日本の未来理想図』(講談社+α新書)『夫婦で貯める1億円!』(ダイヤモンド社)など著書多数。「ホンマでっか!?TV」「有吉ゼミ」などテレビ出演や講演経験も多数。
「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」は本当か?
こんにちは。シンガポール在住、ファイナンシャル・プランナーの花輪陽子です。
ロシアがウクライナに侵攻し、株式市場は下落(取引を停止していたモスクワ証券取引所は再開後、一時、前日比20%下げました)、反対に「有事の金」や「原油」などのコモディティは高騰しています。
「遠くの戦争は買い、近くの戦争は売り」という格言がありますが、日本経済もエネルギー価格が高騰すると大きな影響を受けそうです。
慎重に優良銘柄の買い場を探すなど、急がずにじっくり投資先を探すのがよいでしょう。
また、やはり、この局面でもポートフォリオに金と銀を入れておくと、株価の下落と金価格との上昇が相殺されてバランスされました。
S&P500 vs 全世界株式インデックス、投資するならどっち?
当メルマガに「S&P500 vs 全世界株式インデックス。この先、投資するならどっち?」というご質問をいただいたので、回答したいと思います。
結論から言うと、「全世界株式インデックスのほうがベター」だと感じます。理由は今後、米国優位の市場が是正され、国によるリターンの差が少なくなる可能性があるからです。
過去10年間では米国株のパフォーマンスは好調でした。しかし、歴史を遡ると、必ずしも米国株一強の時代が続いていたわけではありません。
分散の観点からは全世界株式を保有するほうがベターです。
ジム・ロジャーズも同じ考え。「全世界株式インデックス」のほうがベター
投資家のジム・ロジャーズ氏も日本や中国など他の国のインデックスに投資をしたほうが儲かる可能性があると言っています。
また、前回の記事の中で、ゴールドマン・サックスのレポートを取り上げました。こちらでも、金利がさらに低くなることがなければ、要因や国に基づくリターンの差別化は少なくなると予想されています。
全世界株式では株式時価総額に応じて投資比率が自動的に調整されます。特定の国に偏ることがないために地政学的リスクを抑える効果があるのです。
つみたてNISAやiDeCoで積み立てる場合、一本投資信託を選ぶには全世界株式インデックスがベターでしょう。
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