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プーチンの経済制裁「困ってるふり」に騙されるな。資源高止まり作戦で米国のインフレはさらに加速へ=角野實

注目のアメリカ消費者物価指数(インフレ率)が発表され、コンセンサスの8.4%に対して8.5%上昇という結果でした。前年基準で考えるととんでもない数字です。金利上昇の効果もなく、ジャンプアップしています。また、ロシアへの経済制裁も強めていますが、ロシア自体にはそれほど大きな影響はなく、原油・穀物の高止まりは避けられないでしょう。インフレはまだまだ進行すると思います。(『角野實のファンダメンタルズのススメ』)

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※本記事は有料メルマガ『角野實のファンダメンタルズのススメ』2022年4月13日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:角野實(かどの みのる)
大学卒業後、金融機関に10年ほど勤務。独立して投資家の道へ。現在は企業経営者として活動、FX関連の執筆を多数行っている。

消費者物価指数をどう読むか?

注目のアメリカ消費者物価指数(インフレ率)が発表され、コンセンサスの8.4%に対して8.5%上昇という数字です。

この数字がどうマーケットに影響するのか、ほとんどの人は理解できないと思います。私も理解できません(笑)。「ふざけんな!」と言われると思いますが、この数字は、ものすごい数字なのです。

以前から言っていることの繰り返しになりますが、マーケットというのは前年を基準に構成をされており、消費者物価の去年の2-4月の数字はそれぞれ、1.7、2.6、4.2になります。

今年の2月は7.9、そして今回の3月は8.5です。去年の2月から3月は0.9ポイント上伸をしたのに対して、今年は0.6しか上昇をしていないのですから、今年のインフレの進行具合はそれなりに弱ってきていると判断することができます。

ところが、去年の3月から4月は2.6から4.2とジャンプアップの1.6ポイントも上昇をしているのです。

つまり去年の3月から4月にかけてインフレが極端に進行をしたのです。この原因は、去年の数字はその前年、すなわち2020年をベースにしていますから、それを理解すればいいだけの話です。

2020年はコロナショックの年であり、経済が金融緩和初期段階で需要不足からデフレになろうとしていたのですから、ジャンプアップは当然という判断になります。

2020年は1月から2.5,2.3、1.5、0.3(4月)と推移をしていますので、3月から4月にかけて1.5から0.3に急落をしています。それと比較すれば、4.2という数字は理解できると思います。

「利上げ」も効果ナシ?4月以降もインフレは続くか

では、今年の4月はどうなのか?という問題になります。

去年の数字は4.2です。去年は2020年の特殊要因で上昇をしたのに対して、今年はその前年比較要因というのはありません。

3月に利上げを行い、通常では利上げを行うと物価は下がるものなのですが、上昇してしまった…ということです。しかし、去年は3月から4月にかけて大きくジャンプアップしています。以前からインフレが小緩むとしているのはそのためです。

そして、利上げをしてもその効果が表れないということは、4月もさらなる上伸が続くであろう、ということが現段階での推論になります。

4月下旬のFOMCでは、0.5ポイントの利上げがおそらく行われると思います。しかし現状では、その効果はあまり期待しない方がよい、というのが現時点での判断です。

インフレが進行をするということは、石油や穀物など、そのロングは維持という判断になり、資源国通貨も買いという判断になります。

ただし、資源国通貨はドルも強いので、どちらが強いかの問題です。

Next: ロシア経済制裁は効果ナシ?さらなるインフレ高進に備えよ

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