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少子化解消のためならセクハラもOK?内閣府研究会、恋愛弱者への“壁ドン教育”提言に「女性蔑視」「AVで性教育ぐらい間違ってる」と呆れる声

内閣府の研究会において、少子化問題の遠因ともされる、いわゆる“恋愛弱者”への支援策として、“壁ドン”を教えたらどうか、といった趣旨の提案があったことが判明し、SNS上からは怒りや呆れる声が噴出する事態となっている。

それらが取沙汰されたのは、今月7日に行われた「人生100年時代の結婚と家族に関する研究会」なる会合で、提案したのは社会学が専門だという成蹊大学文学部教授の小林盾氏。

報道によると氏は、「人びとの間には「恋愛格差」があり、弱者を支える必要性があると訴えたうえ、「教育に組みこむ 壁ドン・告白・プロポーズの練習、恋愛ゼミ」といった提案したという。

「壁ドンは普通に脅迫罪」との声も

内閣府の男女共同参画局のサイトにある資料によると、近年の未婚・単身世帯の増加、平均初婚年齢の上昇、離婚件数の増大など、我が国の家族の姿が大きく変化しているのを受け、現時点あるいは将来的にどのような課題が生じるのかを把握・整理する……といった趣旨があると説明されているこの研究会。

第1回目が開催されたのは昨年5月で、それ以降はほぼ月に1回のペースで行われ、今月7日に行われたのが通算11回目の会合だったようだ。

それだけの期間や回数を重ねただけあって、さぞ実りある論議がなされてきたのかと思いきや、出てきたのが“壁ドン教育の推進”とあっては、さすがに批判的な声が多くあがるのも仕方がないといったところ。

“壁ドン”といえば、集合住宅等で騒がしい隣人に対して壁を叩いて警告……といった意味合いもあるが、今回の件はそれではなく、主に男性が女性を壁際に追い詰めて手をドンと突いて迫るという、言うなれば一種の求愛行動。最近では実写ドラマでもそういったシーンが描かれることもあるが、元々は2次元の漫画やアニメで用いられた表現のようだ。

ただし、同様の流れで知名度があがった“顎クイ”も含め、どちらにしろそれらはあくまでフィクションのなかでのみあり得る行動として認識している向きが多い模様で、仮にそれを現実の世界でやられても「なんとも思っていない相手にされたら恐怖しかない」「壁ドンは普通に脅迫罪になりかねないと思うけど」との声が多数。

さらには、フィクションの世界とリアル世界とをすっかり混同してしまっているということから、「AVを性教育の教材にするくらい間違ってる感がある」といった声も多く見られるなど、批判どころかまったくお話にならないといった反応が多いようだ。

少子化解消のためなら脅迫・セクハラ紛いの行為もOK?

日本国内においては、かれこれ1990年代から叫ばれ始めたという少子化の問題。国力の衰退にも直結するとあって、これまで様々な議論がなされてきたわけだが、過去にはそれに絡んだトンデモない“舌禍”もあった。

総務庁長官などを歴任した自民党の太田誠一元議員が2003年に起こした騒動なのだが、少子化問題などが議題とされた討論会に参加した氏は、「プロポーズをする勇気のない人が増えている」との発言に続いて、当時社会的に波紋を呼んでいた早大生らによる女子大生への集団暴行“スーパーフリー事件”と絡めて「まだ元気があるからいい。正常に近いんじゃないか」と発言。これが「女性蔑視」だと批判が殺到する事態となったのだ。

要は集団レイプなどによる望まない妊娠でも、それが出生率アップや少子化解消に繋がるのであれば無問題といった、正常な感覚からすると考えられないような思想が、図らずも露呈する格好となったこの件。それから20年近く経った現在だが、仮にも内閣府により開催された研究会において、女性から脅迫・セクハラ紛いの行為とも捉えられている“壁ドン”を、あたかも推奨するような提案がなされ、それが会合内においては問題視されなかったというのは、過去に取沙汰された“女性蔑視”を許容する空気感が、政府や政治家といった為政者側にいまだに残っている証左だといわれても仕方のないところだろう。

SNS上からは、そんな“壁ドン教育”よりも若者世代に金銭的余裕をもたらし、多くの者がごく普通に結婚へと踏み切れる状況を作れるような政策を実施すべし……といった声も多くあがっている状況。日本国内で少子化の問題が取沙汰され始めて約30年。にもかかわらず、それに対して有効な施策がほとんど打ち出せていない現状に、苛立ちを覚える向きも少なくないようだ。

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