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「新電力」続々倒産、次の契約先を見つけないと電気代が2割増しに。大手電力会社も新規受付停止で“電気難民”へ=原彰宏

電力会社が倒産したら電気は止まるのか?

さて、契約している電力会社が倒産してしまったらどうなるのでしょうか。突然、電気は止まってしまうのでしょうか?

その答えは、「すぐに止まることはありません!」と説明されています。たとえ契約先の電力会社が事業を停止しても、すぐに電気が止まることはありません。一定期間は大手電力から電気が届きます。

問題は、この「一定期間」にあります。

国の指針では、撤退・廃業する電力会社は遅くとも15日前には利用者に電力供給の契約解除日を知らせることになっています。利用者は解除日までに新たな電力会社と契約すれば、引き続き電力を使うことができます。

もし何もせず、解除日を過ぎて「無契約」の状態になっても、各地域の大手電力会社が電力を供給する仕組みになっているので、すぐに止まることはありません。

経済産業省資源エネルギー庁ホームページには「新たな供給元が見つかるまでの間は、各地域の電力会社(東京電力、関西電力等)から供給を受けることになります」と書かれています。

再契約先を見つけないと「電気代が2割り増し」に?

ただ無契約が数カ月続くと、電力は止まります。早めに新たな契約先を見つけなければなりません。

一般家庭の場合、新たな電力会社とは、無契約だった期間にさかのぼって契約ができるそうですが、ここまでの行動はすべて「自力」です。

最終保障供給約款…ここまで説明したように、仮に新電力からの送電が止まってしまった場合には、代わりに送配電網を管理している会社(各地域の大手電力会社)が電気を供給してくれるという、いわばセーフティーネットのような制度があります。

これに関しては、経済産業省が出している情報(PDF)があります。
※参考:最終保障供給料金の在り方について – 経済産業省(2022年3月24日)

ここに書かれていることで、非常に気になるものがあります。「約2割増しの料金」という記載です。

最終保障供給の料金メニューについては、①全ての需要家が供給を受けられること、②需要家が常時依存をしないよう、必要最低限の料金メニューであることを基本とし、現行の最終保障供給約款においては、みなし小売電気事業者が設定している標準的な料金メニューの約2割増しの料金(臨時的な料金メニュー相当)で設定されている。

出典:最終保障供給料金の在り方について – 経済産業省(2022年3月24日)

つまり、契約した新電力会社が倒産した場合、当然、その会社の安い電気料金が適用されることはないにしても、電気供給を止めるわけにはいかないので、セーフティーネットにより電気が供給されたとしても、標準料金の「2割増」の料金がかかるということになるようです。

自分で電力会社を探さなければならないうえに、電気料金は2割増しになる……契約電力会社が倒産したら、もう“踏んだり蹴ったり”ですね。

Next: 大手電力会社も新規受付をしていない?“電気難民”になる恐れも…

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