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ニトリHD、エディオンと資本提携でヤマダHDの“暮らしまるごと”に徹底対抗?同じく家具販売の大塚家具は5月1日付けで“消滅”と明暗

家具・インテリア用品大手のニトリホールディングスが、家電量販店のエディオンの株式の10%を取得し、資本提携を行うと発表した。

報道によると、ニトリはエディオン株式のうち8.6%を、住宅設備大手のLIXILからおよそ102億円で取得。さらに1.4%分を市場などから取得することで、計10%を保有する主要株主になるとのこと。

両社は今後、商品や店舗の共同開発にくわえ、ネット販売での連携や物流網の相互利用などを行うことを検討していくという。

35期連続で増収増益のニトリ

2022年2月期決算では35期連続となる増収増益を達成するなど、まさに右肩上がりでの成長を続けているニトリと、家電量販店業界ではヤマダHD、ビックカメラ、ケーズHDに続く売上高を誇るエディオンとの提携とあって、大きな反響を呼んでいる今回の件。

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ニトリといえば、2020年にホームセンター大手のDCMホールディングスとの激しい争いを制する形で、同じくホームセンターである島忠のTOBに成功し、子会社化したことが記憶に新しいところ。現在、島忠では多くのニトリ製品が売られるようになり、さらに2021年には初となるニトリ&島忠の融合型店舗も登場するなど、ニトリとしては販売チャネルのさらなる拡大を果たす格好となった。

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実際、先述の35期連続の増収増益の達成に関しても、本業であるニトリ事業の売上がこのところ足踏み状態だったのに対し、島忠事業が好調でその売上がくわわったことがかなり大きかったようだ。

そういった経緯もあってか、今年3月にあった決算会見でニトリの似鳥昭雄・会長兼最高経営責任者(CEO)は、今後も増収増益を続けていくにあたって「島忠の件もあるし、チャンスがあればM&Aをしていきたい。単独での取り組みには限界がある」と発言

さらに似鳥氏は「具体的にどこにどうやってということはちょっと言えない」と、その手の話がいくつか進行中なのではと匂わせる発言もしていたようで、今回発表されたエディオン株取得と資本提携も、そんな戦略のひとつの布石とみて間違いなさそうだ。

「ヤマダHD×大塚家具」の逆パターン?

いっぽう今回の報道に対して、SNS上から多くあがっているのが「大塚家具を買収したヤマダに対抗?」といった見方だ。

“お家騒動”の余波もあり経営不振が続いていた大塚家具を、ヤマダHDが第三者割当増資を引き受ける形で子会社化したのは2019年12月のこと。

家電だけでなく住宅関連までも取り扱う、いわゆる“暮らしまるごと”戦略の一環としての子会社化だったわけだが、家電量販店のヤマダHDが家具販売の大塚家具を手中に収めたのに対し、今回の件は家具などのインテリア用品を主に扱うニトリが家電量販店のエディオンと組むという、いわば逆のパターン。

とはいえ、家電からインテリアまでトータルに提案できる業態を目指すという方向性は一致しており、今後両方の陣営がどうしのぎを削っていくのか。さらに、ニトリと同じく家具・インテリア雑貨を扱うグローバル企業のIKEAが、そこにどう対抗していくのかという点も、SNS上では大いに注目を集めているようだ。

ちなみにヤマダHDが子会社化した大塚家具だが、その後の事業再建もうまくいかず、2021年にヤマダHDの完全子会社となったのを経て、今年2月には同5月1日付けで吸収合併されると発表。同じく家具販売会社として創業したニトリと大塚家具だが、さらなる事業規模拡大に向けて一歩踏み出したニトリに対し、いっぽうの大塚家具は法人としてはついに消滅と、まさに明暗が分かれる格好となっている。

Next: 「次はイケアかな。どこと組むだろ?」

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