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NTT「出社は出張扱い」の“原則リモート”移行で人材流出は止まるのか?「羨ましい」との声多数も、人材の選別が進めば最終的にはリストラに発展も

NTTが来月から、勤務場所は自宅を基本とし、出社する場合は「出張扱い」にするという新たなルールを導入すると報じられたことが、大きな話題となっている。

すでに従業員を原則リモートワークに切り替え、転勤や単身赴任も廃止する方針を打ち出していた同社。来月からは居住地に関する制限もなくし、国内であればどこに住んでもいいほか、交通費は一律の上限を設けず、航空機を使った出社も認めるとしている。

同社ではグループ内でリモートワークが可能な部署を選び、まずは3万人程度を対象に上記のルールを適用。これを順次、拡大させる計画だという。

リモートか出社か…二分化する対応

コロナ禍によって日本でも否応なしに進んだ感があるリモートワークだが、このところは新型コロナによる行動制限が解除されたこともあり、5月の大型連休明けから週5日の出社に切り替えたホンダをはじめ、オフィス勤務に戻す企業も増えている状況だ。

リモートワークに関しては、通勤時間が浮いた分家族との時間が増えた、満員電車のストレスから解放されたなど、歓迎する声も多いいっぽうで、主に管理職層からは部下が本当に働いてるのかどうか分からないといった低レベルなものを含め、マネジメントが難しいなどと、否定的な意見が続出。

そんななか今月はじめには、Twitter社を買収するなど勢いが衰えないテスラのイーロン・マスク氏が、従業員に対して「出社かクビか」とのツイートをしたことが大きな話題に。オフィス勤務は時代遅れではといった声に対しては「そうした人は、どこかよそで働くふりをすればよい」と、あたかも“リモートワークはサボりの温床”だと言わんばかりの発言に、賛否両論が飛び交う格好となった。

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このようにリモートか出社かで各企業の対応が二分するなか、国内だけで18万人もの従業員を抱えるという日本を代表する巨大企業で、さらに電電公社以来の長い歴史を有するなど、どちらかというと旧態依然とした体質が残っているとのイメージもあるNTTが、原則リモートに踏み切ったという今回の報道は、大きなインパクトを与えた模様。

SNS上では英断だと褒め称える声とともに、他の大企業や中小の企業などにもその動きが波及するのではといった予測、さらには「沖縄と北海道に家を買って、季節に合わせて住み変えたいな~」など、場所に縛られず仕事することが広く当たり前になる時代の到来を期待する声などもあがっているようだ。

リモート導入は“リストラの布石”か

いっぽうで、NTTがリモート導入に踏み切った背景には、ここに来て同社では人材流出が相次いでおり、GAFAなど海外のIT大手に優秀な人材をことごとく奪われまくっているという現実がある。

そんなGAFAが、最近では社員に出社を促そうという動きが出ているなか、NTTとしてはその“逆張り”で対抗しようといったところなのかもしれないが、SNS上では「それでも人材流出は止まらないだろう」「報酬体系が競争力をもたなければ流出に歯止めも効かない」と、NTT側の思惑通りにはいかないのではという悲観的な意見が多いようだ。

いっぽうで、今回のNTTによるリモート導入の動きだが、今後待ち受けるリストラの布石ではないかとする見方も、一部からはあがっているようだ。

実際NTTでは、21年10月から主要グループ会社の大半において、職務の内容に応じて従業員を処遇する、いわゆるジョブ型の人事制度を全管理職に導入しているのだが、今回の完全リモートの導入に伴って、このジョブ型の適用範囲がさらに拡大することも大いに考えられるところ。ジョブ型にくわえてテレワークの導入で仕事の成果の見える化が進めば、仕事ができる者とできない者との差がハッキリと分かり、それにより人材の選別がさらに進むのではというのだ。

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外部からは「羨ましい」との声も多くあがっていた今回のNTTのリモート導入。ただ、中で働く人々にとっては「場所に縛られず仕事が~」といった、呑気なことを言ってる場合ではなさそうな状況なのは間違いなさそうだ。

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