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ほっかほっか亭、異例のエネルギーサーチャージ導入か。“のり弁400円台突入”の衝撃を和らげる秘策の可能性も「分かりにくい」と非難殺到

お持ち帰り弁当チェーンのほっかほっか亭が、最近になって商品1点につき10円のエネルギーサーチャージを徴収し始めていることが判明し、大きな反響を呼んでいる。

話題となっているツイートをみると、レシートの最下部に「原油価格高騰等への対応として、当店では1点ご購入ごとに売価とは別に10円(税別)を当面の間、頂戴しております。」との一文が確かにある模様。

ツイート主によると、店内にあったメニューは従来通りの表記で、レジ上に説明書きがあったものの、購入の段階まで気づきにくいものだったということ。さらに店員の対応は、会計後にいつもと金額が異なることに気付き確認したところ、ようやく説明を行うといったものだったようだ。

「なぜ普通に値上げしない?」訝しむ声も

国際線の航空券では燃油サーチャージが上乗せされるのが当たり前で、ここ最近は燃料価格の高騰や円安の影響で、それがとんでもない価格になっていると話題になっているが、その反面でお弁当屋さんでエネルギーサーチャージを徴収するというのは、なかなか聞かない話。

しかも、航空券の場合は燃油サーチャージを含んだ総額を表示することが定められているが、今回のほっかほっか亭の場合は、店内にはその旨の説明書きが一応あったとはいえ、あまり分かりやすくは掲示されていなかったようだ。

ちなみにほっかほっか亭のウェブサイトを見たところ、エネルギーサーチャージ徴収に関してのリリースなどは現時点では見当たらず、これが全国的に行われているのか、あるいは一部の店舗のみで行われているのかは判別できないところだ、

こういった状況から、SNS上では「わかりにくい」といった声から、「新手のステルス値上げでは」といった意見まであがっている今回の件。ただ、昨今は食料品を中心にあらゆる品目の値上げが相次いでおり、その流れに乗って普通に値上げすればいいようなものなのに、今回エネルギーサーチャージという方法を取ったのは何故なのかという疑問も。

それに関しては、エネルギーサーチャージなら原油価格の変動によって細かな価格調整ができるといった見方、あるいは通常の値上げだと店内にあるメニュー表や掲示物の作り直しが余儀なくされ、そのコストを抑えたいがためといった推測もSNS上では浮上しているが、いっぽうで注目したいのが「のり弁当」の現行価格だ。

この手のお弁当チェーンで扱われる商品のなかでも、殊更“安さの象徴”として見なされることの多いのり弁だが、ほっかほっか亭の東京エリアのメニューをサイトで見てみると、現在の価格は 362円 (税込390円)となっている。

涙ぐましい企業努力もあってか、ここ20年の間は300円台をずっとキープしていたという同社ののり弁だが、今の価格はまさに瀬戸際といったライン。これ以上値上げをすれば、税込で400円台に乗ってしまうのは必至の情勢だ。

「のり弁400円台突入」というのは、お持ち帰り弁当に安価さを求める層にとっては特にだが、ネガティブな方向でのインパクトがかなり強いものと想定されるだけに、そんな衝撃を少しでも和らげるべく、店内などの価格表示はそのままに、エネルギーサーチャージという手の込んだ方法で値上げをした……そんな推測もできそうである。

他業種への波及を懸念する声も

先述の通り、近年は小麦や油脂の世界的な価格高騰にくわえ、原油価格の高騰による物流費や包装資材などの値上がり、そして最近では急激な円安もあって、食料品を中心に値上げが続出するという事態に。

【関連】食品値上げ、8月中に2万品目突破の公算。円安が招く過去最悪の「値上げの秋」。最低賃金は過去最大の引き上げも「焼け石に水」か

先日も帝国データバンクの調査により、この8月までの今年中に2万品目を超える食料品が値上げされ、さらに今年10月には6,305品目で値上げの計画があることが判明。改めて驚く声があがったのだが、これらの数字には内容量を減らすといったステルス値上げの類は含まれておらず、実質上の値上げはこれらの数字より多くの品目で行われているのは間違いないところだ。

いっぽうで今回取沙汰されているエネルギーサーチャージの徴収だが、中食・外食業界などを中心に他業種にも波及するのではないかという見方も、チラホラとあがっている。過去最悪の「値上げの秋」が到来すると今から戦々恐々の世間だが、それどころか多種多彩な値上げにより庶民が“飢え殺し”されるといった状況も、今後大いに考えられそうだ。

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