ファンダメンタルズ分析は有効か?
では、ファンダメンタルズ分析はどうなのか。
企業の価値あるいは、業績、市場マーケット、そういったものを見て分析をする。比較的長期投資に向いてると言われています。
ファンダメンタルズ分析において、分析が必要な4つの要素というのが紹介されています。
<1. 成長>
投資のうまみというのは、企業の成長であるということです。
業績を伸ばしていける、そういった企業であれば、株価も当然上がっていく。
まずはその企業がしっかりと成長するかどうかというところを考えなくてはいけません。
<2. 配当>
先ほどの成長した企業がどんどん利益を出していくのであれば、ほとんどの企業が配当金を増やしていく。
企業の株価が上がると同時に、配当の方もどんどん入ってくる。
そういった特徴があるのかどうか、配当について考えなくてはいけないというふうに書いてあります。
<3. 金利>
金利についてもしっかり考えていかなくてはいけません。
金利が高い局面では、株価は下落する。金利が低い局面では株価が上がる。
ちょうど今の状況に似てるかもしれないですね。
そのように、金利の動向というのも、株価に対して非常に大きな影響を与えるので、金利もしっかりと見ていかなくてはいけません。
<4. リスク>
基本的には我々は値動きが少ない、安全な銘柄を買いたいと思っているはずなんです。
同じリターンが取れるのであれば、できるだけリスクは取らない。「そういったことができるのかどうか」を考えていくのが、ファンダメンタルズ分析においての必要な要素だというふうに書かれています。
それを分析したとして、実際にそれは有効なのかどうかというのが重要です。
実はこちらも疑問が残るのです。なぜかというと、成長であったり、配当が増えるということは、将来の予測自体はただの期待でしかない。要するに、テクニカル分析と同じように、過去こうだったから未来もこうなるといった要素があることは否めないというふうに書かれています。
また分析者の手腕も影響してきます。例えばこのバートン・マルキールさんのように、投資のプロがやったファンダメンタルズ分析の精度と、我々のような一般の人がやったファンダメンタルズ分析の精度、そこには当然差が出てきます。要するに、かなり個人の力に依存している部分がある。だから難しいのです。
さらに言うと、相場の急変、この企業が成長するであろうと思ったとしても、コロナが来た。リーマンショックが来た、いろんなバブルが来た。このように、相場は想定していない急変が起こります。
ファンダメンタルズ分析をしたところで、将来のことはわからないし、今は想定できていないことが起きる。だからファンダメンタルズ分析は難しいというふうに書かれています。