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なぜインデックス投資が最強なのか。名著『ウォール街のランダムウォーカー』に学ぶ日本人に最適な投資戦略=佐々木悠

「バリュー投資」を実践するときの注意点

では、このバリュー投資を実際に実践するうえで、どういったことに気をつければ良いのかというところですが、分析する要素は3つあるというふうに言われています。

それが、PER・PBR・ファクト。この3つを見ることです。

PER、つまり株価と利益のバランス。PBR・株価と純資産のバランス、これを見て割安だと。PERが低い、そういった銘柄に投資をしなさいというふうに書かれています。

しかし、実際にPERが低い銘柄はあります。なおかつ、業績を伸ばしている銘柄っていうのもあります。しかしPERが低いというふうなところには、往々にして、何かしら理由があるんですね。その理由を探るために必要になってくるのが、このファクトというふうなところなんです。

つまり企業の業績であったり、経営体制、ビジネスモデル、そういったものがどのように株価に影響しているのか。業績を伸ばしているけれども、PERが低いのは実はビジネスモデル上も成長がない企業だったということなどがあります。

ゆえにただ単純に、PERが低い銘柄に投資すれば良いという話ではありません。以上がバリュー投資を実際にやっていく上で注意していただきたいところと、必要なポイントになります。

バリュー株投資の心得4選

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以上のこと踏まえて「バリュー株投資を実践するうえでの心得4選」というふうなものがあります。

<心得その1:今後5年の営業利益が6~7%上昇>

今後5年間にわたって営業利益が6から7%上昇していく、そういった銘柄を選びなさいと書いてあります。

当然、未来のことなのでわかりづらいといえばそれまでなんですけれども、この本の中で言われていることが、利益の成長率が市場平均を上回るような、そういった銘柄を見つけなさいということです。

ゆえに6~7%とは言わず、もっと上昇していくような、そういった銘柄を見つけなさいということになります。

Googleであったり、良いパフォーマンスを出した企業というのは往々にしてこの「成長株」になっていきます。成長株を見つけるのってすごく難しいですが、株価・配当・さらにPER、そういったところを見て成長していく株を見ていきたいということになります。

<②心得その2:低PER銘柄への投資>

やはり、PERが低いというのは大事なんです。

先ほど申し上げましたが、PERが低いその理由というのをしっかり納得した上で投資をする。なぜここまでPERに重きが置かれるか。それは株価はPERが上がればどんどん上がっていくといった理論があるからです。

株価というのは、EPS、1株当たりの純利益×PER、これはつまり成長というふうになります。それを掛けたもの、1株当たりの純利益×成長それが株価ということになるのです。

<心得その3:今後利益を出す(であろう)割安株>

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例えば、ある銘柄が1株当たりの純利益が倍になって、成長の期待も倍になった。要するに、それぞれは単体としては2倍の増加なんだけれども、株価としては議論上は4倍になるということなんです。

このように成長して利益を出す、そういった企業をつかめたときは非常に大きい。ビックバン的な、インデックス投資では得られないパフォーマンスが得られる。これがバリュー投資の面白さというふうなところになります。

<心得その4:成長ストーリー>

実際に投資をして「ワクワクするような」「この会社伸びていくんじゃないか」というふうな具体的な分析ではなくて、あくまでそういった感覚を持てるような企業に対して投資をしなさいということが言われています。

やはり株価というのは、心理的な要因で変動する、それは確かだというふうにも言われています。
そういった心理的に上がっていくようなストーリーを描けるところ、それも実は大事な要素ということなります。

基本的にこの成長というのは、1〜2週間で行われるものではなくて、10年・20年といった長い期間で成長していく。そのようなことを想定するので、基本的には売買頻度は少なくしていくのが、バリュー株投資において大事なところだというふうに言われています。

いかがでしたでしょうか?なぜインデックスが有効なのか。難しいけれども、インデックスを超えたいならば何をしたらいいのか。このようなところが理解してもらえたのではないでしょうか?

これは忘れずに今後の人生において覚えておいていただければと思います。

(※編注:今回の記事は動画でも解説されています。ご興味をお持ちの方は、ぜひチャンネル登録してほかの解説動画もご視聴ください。)


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image by:Gorodenkoff / Shutterstock.com
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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2022年08月05日号)より
※記事タイトル・見出しはMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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