転換点通過後に起きること
円安が終わって急激な円高になると、何が起きるのかということを考えてみたいと思います。
特に株式市場について、円安が終わって円高になる。正しい数字に戻るということですが、円高になって、同時に引き金となるのが景気後退であると言いました。
景気後退も起きているし、金利も利上げが終わって利下げに転じるということになるかもしれません。
こういったところから考えられることを4つを挙げてみました。
<その1:輸出企業の業績圧迫>
まずは輸出企業の業績圧迫。今、製造業輸出業円安で調子良いんですが、業績はもしかしたらちょっと悪くなるかもしれない。トヨタなどは、ちょっと注意が必要かなと思います。
<その2:ドルの相対的価格低下>
ドルの相対的価格低下で、今は円安ということでなかなか日本からアメリカ株を買いづらいという状況になっています。
一方でそのアメリカ株を持っている人にとっては、アメリカ株下がっても、ドル高によって価格が救われているという部分があるのですが、それが剥落する可能性があります。
逆に言えば、円が高いということはドルを買うチャンスでもあります。
さらにその時景気後退が起こっているとしたら、またそのアメリカの株も安くなっている可能性があるわけです。その時がアメリカ株のある種買い時ということが言えるのではないかと思います。逆に言えば、今は円安だし、円安の中で無理にアメリカ株を買うような局面ではないと考えるわけです。
<その3・4:バリュー株の株価下落&グロース株の上昇>
一方で個別株というところを見ますと、今実は、バリュー株・割安株と言われるところが、株価が上がっているのです。逆にグロース株が下がっているというところがあります(この株価が円高によって逆に動く可能性があります)。
グロースvsバリュー
それを示しているのが、バリューvsグロースというものです。
上に行くほどグロース優位、つまり成長株の方が上がりやすい。下に行くほどバリュー、割安株の方が調子がいいという状況になってきます。
特に景気の後退が見越される局面においては、この下側バリュー優位になりやすくて、この2022年に入ってからは特にバリュー優位の局面が続いていました。
この流れが逆転するんじゃないかというのが円高の局面です。
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