転換点はいつか?
円安がいつまでも続かない、転換点はいつか?
当然いつになるかというのは、正確にはわからないです。ただ、どんなきっかけで起こりうるかというのは大体想像ができます。
まずは円キャリー取引の終了。つまり「円を売ってドルを買う」「円を借りてドルを買う」といった流れが終了したときには、ドル高円安の流れは終了するだろうと考えられます。
この引き金となるのが直接的には、FRBの利上げの停止、あるいは利下げということになります。つまり日米金利差がこれ以上拡大しない、あるいは縮小するとを考えられたときです。もちろん、日本が利上げをして金利差が縮小するということも考えられなくはないです。
ただ、日銀の姿勢を見ていると、利上げはしないということを言っているので、その可能性は低いんじゃないかと考えます。
じゃあなぜFRBは、今利上げをしているのかというと、インフレを抑え込もうとしているからです。急激なインフレは庶民生活に悪影響を及ぼしますから、それを金利を引上げることによって抑えようとしています。つまり、金利を引き上げる必要がなくなるときというのは、このインフレ率が低下するときであるということができます。
じゃあインフレ率を低下させるには、どうしたらいいかというと、景気の減速です。
インフレというのは、基本的に供給に対して需要が大きいときはインフレになりますから、需要が減ればインフレは終わります。つまり景気減速がインフレ率低下の引き金になる可能性もありますし、この逆も考えられるかもしれないです。
今コロナ、あるいはウクライナ戦争によって、供給不足、物が届かない。
あるいは物を作れないという流れが進んでいますが、これが正常に戻ればインフレ率が今みたいに急速に上がり続けることもないんじゃないかと考えられます。
景気減速がなかったとしても、ウクライナ戦争の終了とか、コロナが世界各国でもそういう懸念するような状況がなくなるということは1つ考えられると思います。
いずれにしても最後は、インフレ率の低下や利上げの停止あるいは利下げによって、円キャリー取引(円売りドル買い)が終了して、これが次の急速な円安が円高に向かうだろうと考えます。
先ほど言ったように、円安が円高になるときっていうのはチキンレースが終わるときですから、一気に動くわけです。
時期は読めないが、この3年以内は要警戒
こうなるということは、皆さんぜひ頭に置いておいた方が良いと思います。
もちろん何度も言うように、時期としてはいつになるかわかりません。FRBがいつ利下げに転じるのかっていうのも読めませんし、インフレも当然なかなか読めるものではありません。また市場というのは、逆にこういうのをどんどん先取り先取りしようとしますから、利上げを停止するといった時点でそうなるわけではありません。そうなるんじゃないかなという事象が発生した時点で、結構先取りして動き出すという側面があります。
これ自体が直接的にそうなるというわけではないんですが、その兆候が出たとき、例えばその景気減速の兆候が出た。「アメリカの雇用者数が減少に転じた」「何かが起きる」「いよいよこの流れが起きるんじゃないか」ということで、また為替が動いたりします。
だからこそ、いつになるかってのは正直わからないわけです。
ただ時期としては、やはり1年2年ないし3年というところを見込んでいくべきではないかと考えます。
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