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お金配り“当選”が知らぬ間に詐欺グループの受け子に。SNS上で表面化した新手の資金洗浄に「あの社長が悪い」との声も

近年よくみられる「お金配り」だが、それに応募した方が最終的に逮捕される事態になったというエピソードが、SNS上で大いに話題となっており、注意喚起の声が広がっているようだ。

渦中のツイートによると、Twitter上にあったお金配りに応募したという“ツレの息子”は、先方より2万円が当選したから振込先の口座を教えろといわれ、それに応じたところ、口座には200万円の振り込みが。先方が間違った額を振り込んだとのことで、その200万円を直接手渡しすることとなり、その際に御礼として10万円を受け取ったという。

ところが後日、その“ツレの息子”は詐欺の受け子をしていたという疑いで、逮捕されてしまうというまさかの展開に。当然のように本人は全く身に覚えがないわけで、容疑を否認しているため、接見もままならないようだ。

詐欺グループによる新手の“資金洗浄”策か

ファッション通販大手「ZOZO」の創業者である前澤友作氏が、2019年ごろからやり始め、SNS上である種の熱狂を巻き起こした「お金配り」。

先日、堀江貴文氏のYouTubeチャンネルに出演した前澤氏は、その一連のお金配りによって、Twitterのフォロワー数は1000万人、LINEのお友達も1400万人増え、さらに自身のアプリには500~600万人の流入があったことを告白

これまでに配った総額は、約32億円にのぼるとのことだが、SNS上におけるここまでの影響力をこの金額で得られるのであれば全然安いもの、といった見方が専らのようだ。

こうした前澤氏の成功を受けて、SNS上では有名無名を問わずお金配りの“金主”となる者がひっきりなしに表れる昨今。今回取沙汰されている出来事は、そんな状況をまんまと逆手に取った行為のようで、その真相は明らかにはされていないものの、どうやら詐欺グループの“資金洗浄”のために利用された可能性が大のようである。

要するに詐欺グループが、自らの口座にそのまま入れると足が付いてマズいといった類の金を、まったく無関係の第三者を経由して、現金化した状態で受け取ろうという狙い。騙された側は、無意識のうちに受け子どころか出し子としても、犯罪行為に加担することになるのだ。

詐欺グループ側としては、200万円を振り込んだ時点で、そのまま逃げられてしまうリスクは当然負う。ただ騙される側も、お金には少々困っているものの性根は善良なのか、さらに御礼として10万円をさらに貰えるということもあって、そのまま持ち逃げして捕まるリスクを考えれば……ということで、先方の甘言に乗ってしまうようだ。

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噴出する「あの社長が悪い」との声

いわゆる「お金配り」を巡るトラブルといえば、最近では「銀行口座を新規開設して、そのキャッシュカードを送れば、後日口座にお金を入れてカードを返す」という言葉に騙され、その通りにしてしまう手口が頻発しているというも最近あったばかり。

乗っ取られる格好となった口座は、還付金詐欺の振込先として利用されてしまい、故意ではないとはいえ詐欺行為の共犯者となる形に。そのうえ還付金詐欺に遭った被害者の弁護士からは、振り込んだ金の返還を求められるという、まさに踏んだり蹴ったりの事態になるという。

銀行での口座新規開設が年を追うごとに厳格化されていることが、これらの口座騙し取り事案が増えている主な原因だが、その手口もここに来て立ち行かなくなっているためなのか、今回取沙汰されているような方法に“進化”したとも考えられそうだ。

このように金銭的な被害だけならともかく、最悪逮捕される事態まで招くということで、SNS上からは「恐ろしい」といった声も多くあがっている今回の件。

当然のことながら、騙す詐欺グループが悪いという話なのだが、そのいっぽうで騙される側の“情弱”ぶりを批判する声や、その巧妙すぎる手口を思わず褒めてしまうといった声も。さらに、実は詐欺の片棒を担がされたという“言い訳”をしている、あるいはさせられているのでは……といった見方も浮上するなど、その反応は様々といったところ。

またこれらの詐欺事案は、以前なら“単なる怪しい話”としてまったくあり得なかった「何の面識も謂れもない人間からお金をもらう」という行為が、このところはすっかり定着してしまったがゆえの弊害ということで、そんなカルチャーを作ってしまった先述の前澤氏にも責任があると唱える声も少なくないようだ。

ちなみに、今回のように誤った金額を振り込んだので返金を……と求められた際には、相手のほうで銀行に「組戻し」依頼をするように求めるというのが、どうやら模範解答のよう。だが、そのようにとっさに頭が回る人間なら騙されないだろうといった、至極まっとうな見方もあり、今後のさらなる被害拡大も大いに考えられそうな状況だ。

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