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岸田政権が国民に迫る「リスキリング」でプロパー社員が虫の息。1兆円で支援する3つの狙いとは?日本型雇用は終焉へ=澤田聖陽

岸田首相は10月3日、成長産業への労働移動を促す「リスキリング支援」に今後5年間で1兆円の予算を投じる計画を示した。その狙いは何か?これからのビジネスマンは、常に自身の市場価値を意識しながら働く必要が出てくるだろう。(『 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」 』澤田聖陽)

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※本記事は有料メルマガ『元証券会社社長・澤田聖陽が教える「投資に勝つニュースの読み方」』2022年10月11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:澤田聖陽(さわだ きよはる)
政治経済アナリスト。国際証券(現:三菱UFJモルガン・スタンレー証券)、松井証券を経て、ジャフコ、極東証券にて投資業務、投資銀行業務に従事。2013年にSAMURAI証券(旧AIP証券)の代表に就任。投資型クラウドファンディング事業を立ち上げ拡大させる。現在は、澤田コンサルティング事務所の代表として、コンサルティング事業を展開中。YouTubeチャンネルにて時事ニュース解説と株価見通しを発信している。

※毎月第3木曜日19:30よりまぐまぐ!Live配信予定「『投資に勝つ』ための最新ニュース解説
投資に勝つにはまず第一に情報分析。「投資に勝つ」という視点から日常のニュースをどのように読むべきかを、この記事の著者で、元証券会社社長で現在も投資の現場の最前線にいる澤田聖陽氏が解説します。視聴方法はこちらから。

所信表明演説で示された「今後5年間でリスキリング支援に1兆円」

10月3日に第210回臨時国会が召集され、岸田総理は所信表明演説を行った。

所信表明では、成長産業への労働移動を促す「リスキリング支援」に今後5年間で1兆円の予算を投じる計画が示された。

リスキリングとは、英語で記載するとReskillingとなり、日本語では「学び直し」と表される。定義としては「新しい職業に就くために、あるいは、今の職業で必要とされるスキルの大幅な変化に適応するために、必要なスキルを獲得すること/させること」ということになる。

政府がリスキリング支援に予算を投じる目的は、所信表明で言われているとおり「成長産業への労働移動を促す」ことである。

今回示された政策は、今後どのようなかたちで具現化されるのか。

効果のあるものにできるかは今後の展開を見守るしかないが、政府が明確にリスキリングの必要性と成長産業への人材の移動を明言したことは、個人的には画期的だとは思う。

なぜ政府はリスキリング支援を急ぐ?3つの狙い

政府によるリスキリング支援政策の裏には、以下のような意図が込められている。

1. 1つの企業で一生勤め上げる終身雇用的な雇用や、勤続年数に応じて給料が上がる年功序列的な雇用の時代はすでに終わっており、収入を上げるには働きだした後もリスキリングを行い、成長性の高い分野で働くことが必要。

2. 人口減少社会で日本経済の活力を保ち続けるためには、選択と集中が重要であり、優秀な人材を成長産業に集中させる必要がある。そのためにリスキリングによって、優秀な人材のスキルをアップデートし、成長産業に転職させなければならない。

3. DX(デジタル・トランスフォーメーション)に対応できない人材は、将来は働く分野がなくなる。すべての分野の労働者にDX分野のリスキリングを行うことによって、労働者の将来の就労環境を整備する。

企業経営では「選択と集中」という言葉が使われて久しいが、国家としても今までのような総花的な対応ではなく、限られた人材を成長分野に集中的に投入できるような仕組みにしないと、今後日本経済の成長は望めなくなってきているということである。

Next: リスキリングで何を学ぶか?AIに取って代わられない技術が必要

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