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中国の中高生はおこづかい20万円。日本人の想像を越える“05后世代”の消費行動10個の特色=牧野武文

<意外その2:大都市の中高生はお金持ち>

都市の規模別に子どものおこづかい額を比べると、また意外な発見があります。

都市の規模別のおこづかい額は、超一線都市では5,000元以上が最も多く、三線都市も高めになっています。

北京、上海、広州、深センといった超一線都市では、5,000元以上が最も多くなりました。大都市には収入の高い人たちが暮らしているため、不思議ではありません。しかし、その額が5,000元以上なのです。5,000元とは10万円で、先ほどの日中の物価の違いを補正して2倍にすると20万円になります。日本の大都市でもワンルームのアパートを借りて、独立した生活ができそうな額です。大都市の中高生は自由に使えるお金をかなり持っているようです。

<意外その3:地方都市にもお金を持っている中高生がいる>

もうひとつ意外なのが、三線都市で1000元から2999元が最も多くなったことです。二線都市は大都市の衛星都市で、三線都市は地方の中核都市になっていることが多くなっています。この三線都市の中高生は、二線都市の中高生よりもおこづかいをたくさんもらっているのです。3000元を日本感覚に補正すると12万円となり、しかも三線都市は物価も安いため、使い出がさらにあります。

なぜ、中国の親たちが、子どもにこんなにお金を与えるのかはよくわかりません。日本では経済的に与えることが可能であっても、教育上よくないと考え、額を制限する親が多いのではないかと思います。このデータを何人かの中国人に見せてみると、けっこう驚いている人がいました。しかし、実際にお子さんがいる人は気持ちはわかるようというようなことを言います。

すでに一人っ子政策はなくなりましたが、中高生ではまだまだ一人っ子が多いため、欲しいものを我慢している姿を見るのがつらいため、ついついおこづかいを与えてしまうのだと言います。また、「お金を稼いで、子どもを養っている」ということにプライドを置いている人が多く、それを示すために、子どもに多くのお金を与えるのではないかとも言います。お金を与えることで、親の権威を示したり、愛情を示したりするのだそうです。

ただし、多くのお金を与える親の多くが、おこづかい帳などの記録をつけることを約束し、最低でも月に1回は内容を見て、話し合いをするという教育的な配慮もしています。日本の感覚のように、「子どもにお金を与えすぎると、教育上よろしくない」という考え方は、中国の人にはピンとこないようです。「たくさん与えても、使い道を管理すれば問題ないでしょ?」と言う方もいました。

<意外その4:欲しいものはスマホではなく、男の子はスニーカー、女の子はバッグ>

中高生が欲しいものと言えば、私の感覚ではスマートフォンです。テレビとラジカセとカメラとゲーム機と時計と電卓が一台になっているのですから、絶対にいちばん欲しいものだろうと思っていました。私が中高生でしたら絶対にスマホを欲しがります。

しかし、男の子の場合はスニーカーであり、女の子の場合はバッグでした。スマホは男の子では腕時計の次、女の子ではバッグの次でした。

男の子が持っている贅沢品(高額商品)はスニーカーと腕時計が上位にきます。スマートフォンはその次です。

女の子が持っている贅沢品はバッグが一位です。

スマホはすでに贅沢品の範疇から外れ始めています。OPPOやvivoのエントリーモデルであれば、300元程度で買うことが可能です。つまり1ヶ月のおこづかいでじゅうぶんに買えるのです。さらに、中古品に手を伸ばせば、状態はともかく100元程度のものも街頭で売られています。もはやスマホは日用品です。贅沢品のスマホとはファーウェイやシャオミの上位機種やiPhoneのことです。

また、スニーカーやバッグ、腕時計という自分を飾るものに興味がいくのは、中高生では当たり前といえば当たり前なのかもしれません。

Next: おこづかいの使い道は意外にマジメ?学習に使われる割合が高い

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