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中国の中高生はおこづかい20万円。日本人の想像を越える“05后世代”の消費行動10個の特色=牧野武文

<意外その8:抖音にハマっている中高生はさほど多くない>

中高生に、最も長時間使うアプリ、サービスを聞きました。すると最も多くなったのはEC系のアプリでした。

中高生が最も長時間使うアプリはEC系アプリは、タオバオ、ピンドードー、天猫(Tmall)の順です。

また、SNSも多くなりましたが、「WeChat、QQ、Twitter」が20.8%で、「ウェイボー、抖音」と答えた人は17.6%でした。

抖音は、TikTokの元になった中国版で、TikTokと同じようにダンス映像なども盛んに投稿されています。しかし、以前から不思議だったのが、日本のTikTokの場合には女子高生たちの映像が大量に流れてきますが、抖音の場合は中高生の映像は多くありません。学校でどの程度厳しく指導、制限をしているのかは外からはわからないところですが、大人の間でも中高生の間にこのような娯楽を楽しむのはよくないことであり、本分である勉学に集中すべきという空気感は強く、ショートムービーへの投稿はしづらいのかもしれません。

<意外その9:ツイッターを使っている中高生が一定数いる>

また、利用しているSNSの上位がWeChatとQQが上位にくるのは当然として、その次がツイッターになっています。ご存知の通り、ツイッターやフェイスブックは中国では遮断をされていてアクセスすることはできません。しかし、アクセスするのは難しいことではなく、パブリックVPNを利用すればいいだけです。

VPN(Virtual Private Network)は、企業などでよく使われるもので、インターネットを利用して仮想的な社内ネットワークを構築する仕組みです。通信が暗号化されるため、外出先からでも安心して社内ネットワークにアクセスすることができます。企業に勤務されている方は、カフェから社内ネットワークにアクセスする時には、自動的にVPNを利用する設定になっていると思います。

これを一般に開放しているVPNがあり、中国のアクセスポイントからVPNにアクセスし、VPN経由で米国などのインターネットにアクセスをすれば、あたかも米国からアクセスしているかのように見えるので、ツイッターやフェースブックにもアクセスできます。ネットフリックスやスポティファイなどの地域によって異なる制限をかけているサービスを使う時にも、同じ方法で米国からアクセスしているかのように装うということは広く行われています。

このようなパブリックVPNを運営することは中国では法に触れます。そのため、よくVPNのポイントが政府機関によってつぶされます。しかし、WeChatなどで常にパブリックVPNのIPアドレスのリストが流れてくるので、設定を変えるだけで再びアクセスができるようになります。

中国では、ツイッターにはアクセスできない環境であるのに、このような報告書にツイッターの名前が掲載されても問題にならないぐらいですから、もはや政府も厳格に取り締まっているわけでもないようです。中高生たちは、ツイッターを通じて、アニメやアイドルの情報を見ているのかもしれませんが、海外の生の情報に触れる手段は持っているわけで、「情報遮断されている中国」というイメージは間違いであることがわかります。

<意外その10:お金の管理はしっかりやっている>

もらったおこづかいをおこづかい帳などで使い道を記録しているかという問いには、59%の中高生が記録をしていると答えています。まったく気にしていないという人は、17%しかいませんでした。

おこづかいを渡す年齢になると、多くの親がおこづかい帳をつけて、それを定期的に見せるという約束をします。中国でおこづかいを渡すというのは、教育的な目的が強いものになっています。ひと月あるいは毎週、一定額のお金を渡し、それを自分で使い道を考えて使うことが大人になって役に立つと考えています。そのため、おこづかい帳をつけさせるのはごく自然なことです。

子ども用のおこづかい帳アプリも豊富にあり、アリペイやWeChatペイと連動をして、自動入力されるものもたくさんあります。また、親のアリペイや、WeChatアカウントと紐づけて、一定額以上のお金を使うとアラートが飛ぶ仕組みや、使い道をリアルタイムで共有する仕組みなどもあります。

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