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イーロン・マスクのツイッター買収で笑うのは中国政府。インドでも従業員大量解雇、IT覇権争いの戦局を左右か=浜田和幸

イーロン・マスク氏は10月27日、総額440億ドル(約6兆4,000億円)でツイッターを買収しました。旧経営陣全員の首を切り、従業員の半分に当たる3,700人にも解雇を言い渡すなど世間を驚かせていますが、この買収でニンマリしているのは実は中国政府かもしれません。(「 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』 」浜田和幸)

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※本記事は有料メルマガ『浜田かずゆきの『ぶっちゃけ話はここだけで』』2022年11月4・11日号の一部抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にご購読をどうぞ。当月配信済みのバックナンバーもすぐ読めます。

プロフィール:浜田和幸(はまだ かずゆき)
国際政治経済学者。前参議院議員。米ジョージ・ワシントン大学政治学博士。『ヘッジファンド』『未来ビジネスを読む』等のベストセラー作家。総務大臣政務官、外務大臣政務官、2020年東京オリンピック・パラリンピック招致委員会委員、米戦略国際問題研究所主任研究員、米議会調査局コンサルタントを歴任。日本では数少ないフューチャリスト(未来予測家)としても知られる。

ツイッター大量解雇に見舞われたインドでは…

世界一の大金持ちと言われるイーロン・マスク氏。

ブルームバーグの計算によれば、彼の資産は2,400億ドルとのこと。日本円で36兆円に達します。日給にすると、平均して4億ドル近く(約600億円)を稼いでいることになります。

であれば、ツイッターの買収金額と言われる440億ドルなど、痛くも痒くもないのかも知れません。

しかし、ただ1人の取締役となったマスク氏はツイッターの旧経営陣全員の首を切り、従業員の半分に当たる3,700人にも解雇を言い渡しました。

突然の解雇通告に多くの従業員は戸惑いと怒りに駆られているようです。

ITエンジニアを数多く輩出し、ツイッターの研究開発にも欠かせない役割を果たしていたインドでは、ニューデリー、ムンバイ、ベンガルなどの従業員の90%以上が首を切られてしまいました。

インドのモディ首相はツイッターの愛好者でフォロワー数は8,400万人です。自国の従業員が事前通告もなく突然解雇されたことに戸惑いを隠せず、決定の見直しを求めています。

間もなく人口規模で中国を抜き、世界最大の人口とマーケットを擁することが確実視されているインドです。

ツイッターにとっては有望な市場のはずですが、こうした「血も涙もない」と揶揄される首切りによる経営基盤の立て直しでは、反発や反動の方が大きいことが懸念されます。

インドよりも中国を選んだ?

というのも、インドにはメタ・プラットフォームやグーグルなどツイッターのライバル企業が数多くしのぎを削っているからです。

これでは将来の巨大なインド市場を失うことにもなりかねません。

マスク氏は中国とインドを天秤にかけ、インドと競合する中国を選んだのでしょうか。

そういえば、彼が力を入れている電気自動車テスラは上海に世界最大の工場を稼働させています。

EV市場としては中国がインドをはるかに上回っており、テスラは上海に第2工場を建設すると発表したばかりです。

しかし、ハードが主体の電気自動車や宇宙ロケットとは違い、ソフト面での開発が勝負を決するのがツイッターなどインターネットサービスの分野に他なりません。

果たして、イエスマンに囲まれたマスク氏にツイッターの再建はできるのでしょうか。

サンフランシスコの本社では早くもエンジニア部門で人材不足が発生し、解雇したばかりのスタッフに再雇用の声かけが行われているようですが、一度離れた人心を取り戻すのは容易とは思えません。

天才経営者の前途は暗雲が垂れ込めています。

Next: ツイッター買収でニンマリする中国。これから何が起こる?

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