リアルな社会はすでに大きく変わっているのに耳を貸さない首相
朝日新聞の調査では、20世紀末が近かった1997年には同性愛を「理解できない」とした人が全体の65%にもおよび、同性愛に対する否定的な意見がマジョリティとなっていたようです。
しかしながら2021年に同種の調査をしてみたところ、同性婚を認めるべきとした人は逆に65%へと上昇し、認めるべきではないとする意見は22%に減少。
状況は大きく変わっていることが見えてきます。
岸田首相は荒井首相秘書官のように気持ち悪いとまでの嫌悪をもよおす発言こそしていませんが、同性婚によって社会状況がこれまでのものから大きく変わってしまうことについてはある種相当な嫌悪感をもっているようで、それが「社会が変わってしまう」といった趣旨の発言に色濃くでていることが窺われます。
まあ根底から言えば、荒井氏の発言とさして変わらないわけで、岸田首相が多様性を認めているとは到底思えない状況になってきています。
考えてみればこの岸田なる人物、丁寧に説明するとか人の話をよく聴くなどと首相就任当初はかなり耳障りのいいことを発言していましたが、実際にやったことといえばどうでしょう。
強引な安倍元首相の国葬断行、国会での議論のないままに43兆円という巨額の防衛予算増額を米国にさっさと申し入れし、国民の意向を政治に採り入れる姿勢は微塵も感じられません。
ある意味、かなり独断という点では驚くべき一貫性を発揮していると言えます。
世界で広がる同性婚の法制化
こうした同性婚は世界ではどのように認められているのかを見回してみますと、欧州圏ではすでにオランダ・ベルギー・スペインが同性婚を合法化していますし、2019年にはかなり保守的に見えた日本の隣国の台湾、さらに2022年にはスイス・スロヴェニア・キューバが合法化に踏みきりました。
このことからも世界の価値観は日々、変化しようとしていることが見えてきます。
日本の状況を見ますと自民党はとにかく既存の社会の枠組みを変えることにことごとく反対で、「夫婦別姓」すら認める動きにはなっていません。