先行指標は全体的に悪化傾向、米雇用統計はどうなる?
先に発表された雇用関連の経済指標は、全体的に悪化傾向ですから、あまり強気になれる状況ではありません。一方で、予想は非農業部門雇用者数が+23.9万人増、平均時給が前月比+0.3%・前年比+4.3%とまずまず堅調な数字が並んでいます。
やはり減ったとは言っても求人件数は未だに歴史的な高水準が続いていますから、雇用者数は無難に増加することが予想されています。ただし、平均時給については前年比で+4.3%と減速感のある予想で、ガンガン賃金を上乗せして人材を確保する状況は終わりを迎えつつあると言えるでしょう。
ちなみに金融不安の影響については、今日発表の雇用統計に関しては、あまりなさそうです。雇用統計は12日を含む週の調査で、シリコンバレー銀行の破綻は3月10日ですからね。
即座に大きな影響があるというものではないので、今回に関してはそこまで気にしなくて良いと思います。
どちらにしても下方向?基本はドル円ショート!
仮に非農業部門雇用者数が予想を上回り、なおかつ平均時給も予想を上回るという強い数字が並んだとしても、ドルが極端に買われて円も売られるということはなさそうかなと。上値は限定的な想定で見ています。
雇用が強いことは喜ばしいですが、そうなるとFRBの利上げ継続、高金利継続が織り込まれて、高金利の影響による景気悪化が想定され、最近のゴルディロックス(適温相場)気味の株式市場には冷や水を浴びせられることとなります。
また、悪ければ悪いでドル安にはなりやすいですし、特に初動は非農業部門雇用者数の数字に振られやすいので、それを意識してトレードを考えていきたいところでしょう。
市場の想定としては、雇用者数はまずまず堅調に推移、平均時給は弱めとなっています。最近の経済指標を見るとインフレのピークアウト感は明らかですから、平均時給が強いというのは考えにくい。もし仮に平均時給が強くてドル高でも、株価にとっては押し下げ要因で円高要因でもありますから、トレード的にはやはり戻り売りを意識したい。
さらに、サプライズで雇用者数が大幅に下振れるようなことでもあれば、ドル安からの円高で底抜けもありますから、やはり発表直前に131円台後半から132円という水準にあれば、ショートポジションを持って結果を待ちたいところでしょう。