AGC<5201>
同社は、燃焼時に二酸化炭素(CO2)を出さないアンモニアを燃料に使ったガラス製造の実用化へ6月をめどに実証実験に取り組む。国の支援制度を見極めながら2026年以降に一部で実用化を検討する。横浜テクニカルセンター(横浜市)で実際の製造ラインを使ってアンモニアの燃焼試験をする。貯蔵タンクを敷地内に設置。産業ガス大手の大陽日酸(日本酸素ホールディングス)と燃焼バーナーを開発する。
足元は、主力のガラスが車用で数量復調や値上げ浸透により部門黒字化。また、建築用ガラスも堅調。電子は半導体向けEUV露光用が好伸し、ディスプレー材料も反発してきている。
前期に巨額の減損を計上した反動が大きく、今期は増益見通し。23年3月期は、売上高が前期比5.6%増の2兆1500億円、営業利益は同3.3%増の1,470億円、純利益は前期31億円の赤字から870億円の黒字に転換すると見られている。
株価は20年02月安値から21年11月高値までの上げに対する50%押しの水準まで調整した後に反発。足元は、一目均衡表の週足「雲」を上抜けるかどうかが当面の焦点。実績PBR=0.77倍、予想配当利回り=4.32%で割安感がある。
日揮ホールディングス<1963>
3月22日、再生可能エネルギー由来のグリーンアンモニアを製造する実証事業を福島県浪江町で始めると発表した。太陽光で生み出す電力で水を電気分解してつくる水素を原料にする。10月ごろにプラント建設を始め、2024年度中の運転開始を目指す。
同社によると、グリーンアンモニアの製造拠点設置は国内で初めて。実証は26年度末まで続け、27年度以降により大規模な実証プラントの建設を計画する。アンモニア製造の低炭素化につなげる。
23年3月期は、完成済みのオーストラリアの大型液化天然ガス(LNG)プラント建設を巡る顧客との係争の和解で22年3月期に計上した特別損失の影響が無くなり黒字転換。カナダでのLNGプラント建設なども好調に推移する。売上高は前期比40.1%増の6,000億円、営業利益は同64.3%増と大幅に伸びる見通し。
株価は、足元で一目均衡表の週足「雲」を上抜けるかどうかが当面の焦点となる。