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世界が注目する日本の半導体銘柄、どれが買い?東京エレクトロン、信越化学、HOYA、レーザーテック、アドバンテスト、ディスコを分析=栫井駿介

ルネサスエレクトロニクス<6723>

次に取り上げるのはルネサスエレクトロニクスです。

先ほど紹介した東京エレクトロンとは異なり、最終製品を製造しています。
NEC、日立、三菱電気の半導体事業統合から生まれた企業で、かつては業績が厳しかったものの、最近では急速に成長しています。

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出典:マネックス証券

ルネサスは、最先端の半導体製造ではなく、アナログ半導体やパワー半導体、車載向け製品などを手がけています。
これらの製品は競争が激しく、価格競争に巻き込まれやすい部門で、波の大きい市場において収益が低い中で経営していました。

しかし、コロナ禍の半導体不足により、TSMCなどの企業がコンピュータ用の半導体製造でいっぱいになり、一般的な半導体を作る余力がなくなったことで、ルネサスへの需要が増え、利益率も上がりました。
特に自動車向け半導体の需要が高まったことで、業績が伸びました。
さらに、自動車製造においても電子製品の重要性が大きくなっていて、半導体の需要も増してきています。

ただし、半導体不足が解消された際に再び競争が激化する可能性があることを考えなければなりません。

今の業績はバブル感があり、他社が真似できない技術を持つかどうかはまだ確認されておらず、私の考えでは、半導体関連ということでルネサスに投資する必要はないのではないかと思っています。

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出典:マネックス証券

チャートを見ると、株価が過去5年間で約5倍に上昇しています。
しかし、これはかつての業績が低かったが故であり、ルネサスの経営が素晴らしいとは言えないため、注意が必要です。

HOYA<7741>

次に紹介するのはHOYAです。

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出典:マネックス証券

HOYAは主にコンタクトレンズや眼科用の検査装置などで知られていますが、実は半導体関連の製品も手がけています。
具体的には、エレクトロニクス分野、半導体用マスクブランクス、フォトマスク、FPD用フォトマスク、HDD用ガラスサブストレートというものです。
元々光学技術に強みを持っているHOYAだからこそ作れるもので、高いシェアを持っています。

自社の技術を活かし、トップになれる分野を選んで高い収益性を得るという経営方針となっています。
その中で半導体分野が成長してきたわけです。

成長産業に特化した経営を行いつつ、眼科やメディカル分野なども手がけ、その安定成長が半導体の業績のブレを補っています。

特にライフケア分野は景気の変動に左右されにくく、メガネやコンタクトの需要が増えていることから安定的に成長しています。
今は半導体が好調なので伸びていますが、半導体が不況になってもライフケア分野などは安定成長しているので、両方のいいとこ取りをしている印象です。

HOYAはポートフォリオ経営を自称していて、ここを買っておけば、半導体とライフケアの両方の特性を持ったポートフォリオを形成しているとも言えます。

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出典:マネックス証券

株価も右肩上がりで伸びており、成長が期待されていますが、PERの変動が激しい傾向があります。

短期的な変動はあるものの、長期的にはライフケアと半導体の両方の成長が見込まれるため、将来は割と明るいのではないかと思います。

HOYAは半導体に特化した企業ではなく、様々な事業を展開しているところに特徴があります。

Next: まだある半導体銘柄。収益性の高い3社をまとめて解説

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