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悪徳業者だらけの住宅リフォーム業界…どうすれば優良業者が見つかる?業者紹介サイトもまるで信用できない悲惨な実情=神樹兵輔

なぜリフォーム業界に悪徳業者がはびこるのか?

この業界に悪徳業者が多いのは、単純ですが、誰でも参入可能な業界だからです。

あらゆる工事を取り扱うリフォームですが、500万円未満(建築一式工事の場合は、1,500万円もしくは150平方メートル未満の工事)の軽微な工事では、建設業の許可が不要だからです。

住宅のリノベーション工事(間取り変更・給排水管交換・耐震化・改築増築工事などで既存住宅の価値向上を図る)とは異なり、リフォームの場合、ほぼ9割方が500万円未満の工事が主流です。ゆえに、誰でも参入できるのです。

しかし、リフォーム業者は、工事が受注できなければ、自社の職人を遊ばせることにもなりかねません(反対に自社の職人不足の時には同業他社にも仕事を投げてシェアする)。

自転車操業的な業者も少なくないので、仕事が取れなければ、給与も払えなくなります。

すると、詐欺的トークによる訪問営業に手を出す悪徳業者もあとを絶たないわけです。その気になれば、どこの業者でも、こういうことはやれてしまいます。

筆者の自宅にも訪れた「悪質訪問営業」の2人連れ

実は、筆者の住む戸建て住宅においても、昨年12月に、こうした悪徳業者の訪問を受けたのでした。とある日、いかにも専門業者と言わんばかりの作業着姿の2人組がチャイムを鳴らして、筆者宅を訪れたのです。

筆者の自宅のすぐ傍には、全国チェーンの5階建てのボウリング場のビルがあるのですが、2人組いわく、そのビル屋上の防水点検をしていたら偶然、筆者の住宅の屋根に亀裂を見つけたので、「雨漏りはありませんか?」と突然訪問してきて、心配そうに筆者の反応を窺ったわけです。

「一度近いうちに屋根工事の業者さんに診てもらったらいかがですか?雨漏りが始まってからでは手遅れですからね。知り合いの業者がいないようなら、うちの会社で仕事を請け負っても構いませんよ。格安サービスで対応しますが、いかがでしょうか?」と2人組は、のたまったのでした。

筆者が、彼らに名刺を求めても、「今日はボウリング場の屋上の工事点検に来ただけなので持っていません。あとから送りますよ」などと言って、その後はそそくさと立ち去ったのです。

……が、もちろん、それっきりです。

彼らにとっては、すぐにも食いついてこない客は、詐欺対象にもならないからでしょう。

筆者はその後、ボウリング場の支配人に連絡を取り、屋上防水点検の有無を尋ねましたが、当然ながらそんな事実はありませんでした。

彼らは、このように近隣の高い建物での保守点検や工事を装って、容易に住人が視認することのできない屋根の上の破損を切り口にして、詐欺営業をかけるわけです。

筆者は、ボーリング場の支配人のご厚意を受けて、望遠鏡持参でビルの屋上にまで上がらせてもらい、自宅の屋根を子細にチェックしましたが、当然ですが、まったく異常なしだったのです。

「なるほど、これが噂に名高い悪徳訪問営業の手口かよ」とひょんなことがキッカケで実体験ができたのでした。

住人を不安にさせる――これが彼らの常套手段なのです。

こうした悪質訪問営業は、テレビや新聞でも伝えられますが、他にも「外壁塗り替え工事は火災保険で補償が得られます」と甘い囁きで近づいたり、「2階の雨といが壊れかけている」とか「近所でシロアリ工事をやったばかりで、このへんに来たついでなので、床下点検を無料でやってあげてもいいですよ」などといった声かけの手口が多いのです。

火災保険で屋根や外壁の損傷に補償が出る――というのも保険会社による厳しいチェックが行われ、そう簡単に補償は下りませんし、いったん屋根に上られれば勝手に屋根のどこかを壊されて、写真を撮って、あとで見せつけてくるでしょう。

また、床下のシロアリ点検をさせれば、あらかじめ用意しておいた生きたシロアリを見せられることにもなるわけです。

こうして騙されて工事をお願いしようものなら、はじめの見積もりこそ、格安であっても、次々と住宅の損傷個所を見つけた――とばかりに、「追加工事」をねだって承諾させられ、ろくに工事そのものをやっていなくても、やったという偽装工作で、瞬くうちに法外な金額を吹っかけられるのです。

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