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大阪市水道局職員、勤務時間中に弁当を188回レンチンし訓告処分。「あいつだけズルい」とばかりに内部通報が横行する公務員の世界に「陰湿…」との反応も

勤務時間中に昼食用の弁当を電子レンジで温める行為を1年以上続けていたなどの理由で、大阪市水道局に勤める60歳代の男性職員が処分されたというニュースが、波紋を呼んでいるようだ。

報道によれば、男性職員は2022年4月~昨年6月にかけて計188回、昼休憩前の午前11時~午後0時15分に自分の席を離れ、職場内に備え付けの電子レンジで弁当を温める行為を繰り返したとのこと。離席した時間は1回あたり3分程度だったという。

いっぽうで同職員は、22年4月~昨年1月にかけて、終業時間の30分前に自席のノートパソコンの電源を落とし、5分前になるとカバンを机の上に置いて帰宅の準備をする行為を毎日のように続けていたという。

同市水道局が調査したところ、地方公務員法で規定された職務専念義務に違反すると判断され、懲戒処分と比べて軽度の行為に適用される訓告処分となったという。

「タバコ離席の方が悪質」との声も

職場に持参する弁当は、特に寒い冬場などは暖かいほうが美味……というのは分からなくはないのだが、とはいえ勤務時間中に度々レンジでチンをしていたがために、職場から処分を下されたうえに、新聞各紙・テレビ各局などのメディアに大々的に報じられてしまうという、まさかの展開となった今回の件。

当該男性職員は、毎日30分前にはPCの電源を切り、5分前になるとカバンを机の上に置いてソワソワ……ということで、よっぽど仕事がヒマなのか、それとも仕事が早い有能な人物なのか、この記事だけでは判断は付きかねるのだが、やはりそれ以上に釈然としないのが“早すぎる弁当温め”のほうである。

記事にある“昼休憩前の午前11時~午後0時15分”という文言から、この職場の昼休みはどうやら午後0時15分からのようなのだが、いっぽうで別の報道によれば、この職員に関しては「毎日、勤務時間中の午前11時15分くらいにお弁当を温めている」という“内部通報”があったとのこと。

仮にそうだとすれば、どうしてこの60代男性職員は、一度チンしても食べる頃にはすっかり冷めてしまうであろう1時間も前に、早々と温め行為を行っていたのか、どうにも気になるところ。これが仮に勤務時間内に“早弁”をしていたとなれば、早すぎる温めも分かるのだが、それこそレンチンよりも問題視されそうなそのような行為は、各社の報道を見る限りでは無かったようだけに、まさに謎は深まるばかりである。

とはいえ事の問題点はそこではなく、勤務時間中に“ほんの3分程度”のこととはいえ、仕事以外のことをしていたことの是非ということなのだが、SNS上からは「別にいいんじゃないか?」「そんぐらいゆるしたれよ…」といった擁護する見方が多い印象で、さらには、かねてから問題視されることが多い「タバコ離席の方が悪質」といった声も多く見られるようである。

自治体職員“精神疾患での休職”は10年前の約1.8倍に

このように「なんでこんなどうでもいい話が記事に…」といった反応も多い今回の件なのだが、いっぽうで今回の報道を通じての反応として少なからずあがっているのが「公務員の世界って本当に陰湿…」といった反応。

先述した通り、同職員に対しては「毎日、勤務時間中の午前11時15分くらいにお弁当を温めている」という内部通報があったようなのだが、組織の不正や悪事を告発するといったいわゆる本義の“内部通報”が持つイメージからすると、確かにあまりにもせせこましすぎるというのは否めないところ。さらには、件のレンチン行為を“計188回”行ったと、しっかりとカウントしていたという点も、その陰湿ぶりを際立たせているといった印象だ。

【関連】横浜市職員、ソープランドでの副業発覚で停職処分。ホストと遊ぶ金欲しさの風俗バイトが公務員の副業禁止に抵触も「横領よりまし」と擁護する声も

そんな公務員の世界における内部通報といえば、たとえばソープランドなどの風俗店でこそり働いていた女性職員が、内部通報がきっかけにそのことが露見し、停職などの処分が下った……といった話も、過去には何度も取沙汰されているところ。

公務員による副業の是非はともかくとして、このように「なんかうまいこと儲けている」であるとか、あるいは今回のように「勤務時間中にサボっている」といった他の職員らの行為を、「あいつだけズルい」「他人の得が許せない」とばかりに、こぞって通報・密告するといったカルチャーが、ことに公務員の世界においてはかなり浸透している……とも見受けられるのだ。

ちなみに、今年2月に公表された地方公務員安全衛生推進協会による調査結果によれば、2022年度に精神疾患など「精神および行動の障害」で1か月以上休んだ自治体職員は、10年前と比べて約1.8倍に増えているという。

職員1人当たりの仕事量が増え、さらにデジタル対応など内容も複雑化しており、業務負担が重くなっていることが、その主な理由とされているのだが、今回の件でも窺い知れるような相互監視的な職場の空気感も、そういった事態に大いに影響しているとも考えられそうである。

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