外貨建て保険は販売側だけに美味しい商品です。購入者は外貨に替える時も円に戻す時も大きな手数料がかかり、節税効果や為替差益も期待できません。(『教育貧困にならないために』川畑明美)
高い利率も手数料で帳消し。外貨建て保険に加入してはいけない
6~10%の手数料がとられる
定期付き終身保険と同時に最も加入してはいけないのが「外貨建て保険」です。そもそも、ドル円が110円と「円安」傾向のいま加入して、ドル円が90円になってしまったら、大損です。
また、情報がとりやすいドル建てならまだしも、オーストラリアドルの為替をチェックできない人がオーストラリアドル建ての保険に加入してはいけません。
しかも外貨建ての保険は、外貨に替える時も円に戻す時も、手数料がかかります。この手数料が保険会社や銀行では高額なのです。
特に一時払いの外貨建て保険は、銀行で勧められることが多いのですが、銀行に手数料がたくさん入る「販売側」にとって美味しい商品なのです。
6~10%の手数料が銀行に入るので、金融庁の指導もありました。100万円の保険に入ったら10万円が手数料として銀行に入るのですから、本当に美味しい商品です。
節税効果なんて微々たるもの
円建ての保険に対して、外貨建てのほうが利率は高いのですが、為替が動けばその利率なんて簡単に消し飛んでしまいます。つまり、リスクの高い金融商品なのです。
販売者は、「外貨建て年金保険を活用することで、生命保険料控除の適用を受けて節税が図れます」「利率が高く、為替差益も期待できます」。そんなふうに営業してきますが、個人年金保険料控除の対象になっていない外貨建て保険もあるので、よく調べてくださいね。
そもそも保険の控除額は、年間で12万円です。全額が控除されるのではありませんから、節税も微々たるものです。個人型確定拠出年金のほうが随分と有利です。
さらに、為替差益を期待するなら80円台の頃でないと、手数料を考えると利益になりません。一括払いでない方は、お早目に見直ししましょう。
そのまま契約を続けるほうが、損切するよりも損をする確率が高いです。
『教育貧困にならないために』(2017年8月9日号)より一部抜粋
※太字はMONEY VOICE編集部による
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