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「ビットコインは怪しい」と思う日本人が知るべき仮想通貨の未来=俣野成敏

1. なぜ、仮想通貨は誕生したのか?

仮想通貨とは、インターネット上で決済手段として用いられる、暗号化された電子データのことです。ですから本当は、「暗号通貨」と呼ぶのが正しい呼び名ですが、混乱を避けるために当メルマガ内では「仮想通貨」で統一することにします。

仮想通貨は、新しい概念です。生まれたばかりのため、まだ多くのことが流動的で安定していません。しかしその反面、大きな可能性を秘めています。

まずは仮想通貨が誕生した経緯を簡単に見ていくことにしましょう。

【仮想通貨が発達したきっかけは「ナカモト論文」】

電子通貨が現実的に考えられるようになったのは、1990年代のインターネットの普及と無縁ではありません。具体的にいうと、1995年にはアメリカでFuture of Moneyという委員会が存在しており、日本でも1990年代後半には、さかんに実証実験が行われていました。

仮想通貨の中でも、初めて商用で用いられたとされ、現在、もっとも普及が進んでいるのが「ビットコイン」です。一般に、ビットコインは2008年10月にサトシ・ナカモトという謎の人物が「ビットコイン:P2P電子マネーシステム」という、わずか9ページの論文を発表したことから始まったとされています。

電子通貨を実現する上で、もっとも難題とされてきたのが「二重使用問題」です。電子通貨は現物がなく、理論上ではいくらでも製造可能です。1度受け取ったお金で何度も決済できるようでは、通貨としての価値を持ちません。電子通貨を決済手段として使うためには、その通貨の価値が担保されており、かつ「このお金を使った取引が唯一無二である」ということを証明する必要があります。

実際には、リアル通貨の場合でも、海外送金などのような遠方への送金時に同様の問題が起きています。海外送金といっても、現実には本物のお金を送っているわけではなく、データをやり取りしているだけだからです。

この問題に関して、ナカモト論文を引用してみましょう。

「インターネットでの商取引は、ほぼ例外なく、信頼できる第三者機関、つまり金融機関に頼っているのが現状である。……インターネットの特性上、金融機関は常にトラブルに見舞われる危険性があるため、完全に非可逆的な取引を扱うことができない。金融機関が、これらのコストや仲介手数料を上乗せすることによって、少額取引の可能性が失われている」

ここでのポイントをまとめてみると、以下の通りです。

(1)理論上、誰でも参入できて、データの改ざんが可能な電子取引では、通貨の担保性と取引の正当性を証明するために、信用の置ける金融機関を通しているのが現状

(2)電子上の取引は、完全に記録を消してしまうと、その取引が正当なものだったかどうかの証明ができなくなる。「記録を消さない」ということは管理が必要ということであり、費用が発生する

(3)金融機関を通すことによって、そこでの管理費や仲介手数料が上乗せされるため、少額決済を利用することができず、電子商取引の発展の妨げとなっている

ここには、仮想通貨誕生の直接的な理由が記載されています。

【仮想通貨が必要とされた背景】

インターネットの普及により、現在は人々が、お互いがどこにいるかは関係なしに、時間と距離を越えてつながることができる世の中です。これによって消費者の需要も多様化したため、少額のコストで、一部の人々を相手に行うビジネスも可能になりつつあります。

ところが、ビジネスの基盤であるはずの「決済」に関して、業界ではいまだに有効な手段を見い出せてはいません。ネット上では世界中の会社と瞬時に取引できるのに、銀行から海外へ送金しようとすると時間がかかり、手数料も1回の取引につき数千円程度かかります。

現在、ECサイトの主要な決済手段として使われているのはクレジットカードになりますが、これも実際は1回の取引につき3%~5%の手数料をカード会社から請求されています。誰がその手数料を負担しているのかというと、お店です。

一見、カード手数料は消費者には関係ないようにも見えますが、現実にはその費用分は値上げ圧力となります。巡り巡って、結局は買い手がそれを負担することになるのです。

このように、これだけ便利な世の中でありながら、現状に見合った少額取引決済を可能にする方法が、実はまだ見つかっていないのです。

仮想通貨が必要とされた背景には、

(1)インターネットの利便性を、本当の意味で活かした決済手段がないこと
(2)従来の送金方法では手数料が高く、人々の需要に対応できないこと

…の2点がベースとして流れています。

Next: ビットコインが普及すれば、現在の「銀行」はいらなくなる

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