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アベノミクスで雇用は改善していない~リフレ派がひた隠す「不都合な真実」=島倉原

雇用指標の改善は、労働力供給が不足している結果である

同様な実態は、一貫して労働者の主力である25~54歳男性の就業状況でも確認できます。経済の長期停滞に伴う増加が問題視されている非正規社員を含めてもなお、この年代の男性就業者数は、2000年代以降未だに減少トレンドを続けています。
https://twitter.com/sima9ra/status/819145926493077504
http://bit.ly/2j0Mon8

就職をあきらめて失業者にもカウントされない「非労働力人口」も加味すると、完全雇用状態と比較して、この年代の男性だけで約90万人分の需要不足が存在します。

こうした環境で、仮に雇用指標の改善が景気回復によって労働力需要が増大した結果なら、アベノミクス開始から約4年、就業者数の減少トレンドが反転しないのは明らかに不自然。すなわち、雇用指標の改善自体は事実としても、それはアベノミクスの成果などではなく、やはり生産年齢人口減少により、労働力供給が不足している結果と言わざるを得ません。

ところがリフレ派のように、アベノミクスがそれなりの成果を上げていると誤解すると、現状に対する危機感がさほど湧いてこないことになります。

そこに、「中国経済はこのまま衰退していくに決まっている」という、景気循環論から見ればいささか楽観的に過ぎる前提なども加わると、「緊縮財政による経済の長期停滞が、国力低下や安全保障リスク増大につながっている」という、本メルマガ執筆陣共通の危機感とは相当なギャップが生まれるのも無理のない話。

そうした観点も交えてご覧になれば、後半の中国経済の動向に関する議論も含め、今回の番組をより堪能いただけるような気がします。
https://www.youtube.com/watch?v=e3uLR5y7LAg

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