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安倍首相「アベノミクスは7合目」もう後戻りできぬ頂上からの景色とは?=東条雅彦

仮に政権交代が起きても、異次元緩和は停止できない

9月25日に突如、「希望の党」という政党が出現しました。野党第一党の民進党はリベラル系議員を除いて、希望の党から出馬することになりました。

一方、リベラル系議員は「立憲民主党」を結成して、かつてないほどに目まぐるしく状況が変化してきています。

そして、10月22日の総選挙は「政権選択選挙」になるというのがマスコミの触れ込みです。

しかし、仮に政権交代が実現しても、日銀は異次元緩和を停止できないでしょう。なぜなら、政府が毎年、積み上げる35~40兆円という国債を引き受ける余力が民間の金融機関には残っていないためです。

政府の国債を引き受けできるのは日銀だけです。つまり、2013年に開始したアベノミクス第1の矢「異次元緩和政策」は不可逆な政策だったのです。

「燃焼」という現象は不可逆です。紙を燃やしてしまった場合、灰になったものをもう一度、紙に戻すことはできません。

政府は毎年のようにコロコロと表面上の政策を変更しています。可逆的な政策であれば、途中で中止することも路線を修正することも可能です。ところが、第1の矢(=異次元の金融緩和政策)だけは、一度放ってしまうと、ずっと打ちっぱなしにしなければいけません。

そのため、当初2年間の予定だったものが、4年半以上も継続して、今後も続く予定になっているのです。これは、政府の財政持続が不可能になるか、大幅な通貨安が引き起こるまで続きます

不可逆な政策が間違っていた場合、本当にどうしようもなくなる!

1978年の映画『スーパーマン』で、スーパーマン(クリストファー・リーブ)が地球の周りを光速よりも速い速度で飛び、時間を巻き戻すシーンがありました。大悪党のレックス・ルーサーによって破壊されたアメリカ大陸を修復するには時間を巻き戻すしかなかったためです。

本来なら、2013年時点に戻って、アベノミクス「第1の矢」(異次元緩和)を停止する必要があります

不可逆な政策」というのは、本当に恐ろしいものです。途中で間違いに気がついても、変更できませんし、ずっと日銀は政府の財政を支え続けなければいけません

日銀の異次元緩和によって、案の定、既に政府の財政規律は乱れ始めています。安倍総理は9月25日の記者会見にて、消費税率の8%から10%への引き上げに伴う増収分の使途について約2兆円分を、国の借金返済から「人づくり革命(幼児教育や高等教育の無償化など)」に変更する考えを表明しました。

2020年に基礎的財政収支(プライマリーバランス、PB)を黒字化する財政健全化目標は実質的に先送りにされて、表面的な政策はコロコロと毎年のように変更されています。

その一方で、着実に政府と日銀のバランスシートは変化してきており、財政持続が危うくなっていることは事実です。

2013年から開始した不可逆な異次元緩和政策は、国民からの信認を受けたわけでもなく、選挙でその政策が支持されていたわけでもありません。また、今回の選挙でも「異次元緩和政策」については、争点にならないし、どうしようもない状況になっています。

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