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ビットコイン消滅?「暗号通貨の勝利」を確信するIMFラガルドが描く未来

元祖ビットコインが表舞台から姿を消す?

SDR(特別引出権)がデジタル通貨(仮想通貨)に置き換えられる背景とプロセスについては、やや複雑なので、10/23日配信のメルマガパート2で詳述しますが、まず先にビットコインの現況とごく近い将来について書いておきたいと思います。

ビットコインには、目先に大きなイベントが2つほど控えています。

ひとつは10月25日のハードフォーク、もうひとつは、まだ100%確定とは言えないものの、11月19日に予定されているセグウィット2x(SegWit2x)による本家本元のビットコインの分岐です。

なぜ、10月25日なのかというと、ひとつの節目であるビットコインのブロック生成高が491407になるときが、2017年10月25日の見込みだからです。

10月25日のハードフォークでは、元祖ビットコイン(Bitcoin)から、ビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)が誕生します。

ただし、「ゴールド」と言っても、金(ゴールド)でその価値が裏付けられているというわけではありません。

10月25日の時点で、元祖ビットコイン(Bitcoin)ホルダーには、分岐した結果、生成されるビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)が自動的に付与されることになっています。

そして、11月19日に予定されているセグウィット2x(SegWit2x)にともなう分岐では、「B2X」(仮称)という元祖ビットコインの分身が誕生します。これらを表にまとめると以下のようになります。

元祖ビットコインに加えて8月のハードフォークで分岐・生成されたビットコイン・キャッシュ(Bitcoin Cash)、そして、10月25日のビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)、そして11月19日に分岐・生成されることになっているB2Xと、これで、ビットコイン兄弟は4つになり、発行上限コイン数も、それぞれ2100万コインとなっています。

しかし、ビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)の付与については、若干の条件が付けられています。

それは、「全ユーザーの取引状況から算出される付与係数を乗じた数量を付与する」とのことで、ブロックが安定的に生成されるだけのマイナーが集まらなかった場合(将来、見込まれる取引数が極端に少ない場合)は、上の表にあるように2100万コインではなく、もっと少なくなるということです。

仮想通貨の価値を決めるのはマイナーの発掘状況なので、ビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)については、分岐後、自動的に付与されるといっても、どの程度の値が付くのか不透明です。

したがって、10月25日のハードフォーク後、元祖ビットコインのホルダーに対してビットコイン・ゴールド(Bitcoin Gold)を付与するかどうかは、日本仮想通貨事業者協会の告知のとおり、各仮想通貨事業者の判断に任せられることになりました。

日本法人の仮想通貨取引所は、「マイナーが十分に集まらず、ブロックが安定的に生成されない場合、そして、何らかの脆弱性が発覚しそれに対する対策が行われない場合にはビットコイン・ゴールドは付与されない場合もある」と、口座を開設している仮想通貨投資家たちに事前通告していますが、それでも、ビットコイン・ゴールドの獲得を目的としてビットコインひとりに買いが集中しています。

すでに、完全にバクチ化しているのが仮想通貨界隈です。

セグウィット2x(SegWit2x)にマイナーの9割以上が賛成

これに対して、11月19日に予定されているセグウィット2x(SegWit2x)に伴う「B2X」は、あらかじめ、マイナーの9割以上が賛成しているので、活発なマイニングが行われることは約束されていると言えます。

つまり、元祖ビットコインは消滅することはないにしても、その性能が時代遅れとなったり、マイナーの費用対効果が合わなくなったりで、元祖ビットコインの実需はB2Xに引き継がれると考えられているのです。

その結果、多くのビットコイン・ユーザーの間で、分岐・生成されるB2Xが、必然的に元祖ビットコインを潰しにかかるのではという懸念が日増しに強くなっているのです。

もし、そのとおりに事態が推移していけば、今回は8月のハードフォークのときと違って、元祖ビットコインにとっては、休眠状態を余儀なくされる事態に発展するかもしれません。

Next: 「元祖ビットコインは今後サポートしない」仮想通貨事業者たち

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