インデックス投資は「社会の発展」を信じる超高勝率の投資法だ
インデックス投資とは、「社会の発展」「人類の発展」を信じる投資法です。
私たちは、株式会社の作った製品やサービスを利用して生活しています。また、会社に行って働いて、給料を得て生活しています。
インデックス投資では、「資金を株式に投入して、その会社が倒産してゼロ円になったらどうするの?」といった不安を感じる必要はありません。なぜなら、S&P500を構成する500社がすべて同時に倒産するような状況では、そもそも私たちはまともに社会生活を送れないからです。
今、この文章を読むのに使っているパソコン、スマホ、タブレットPCは、株式会社が作った製品ですね。また、インターネットを利用するための回線を施設したのも株式会社ですし、各種サービスを提供しているのも株式会社です。
今、着ている服も、座っている椅子も、洗面用具も浴槽で使う洗面器も、寝るベッドも…すべて株式会社から提供されているものです。
それでも「株式投資は怖くて危険だ」と見なすのなら、いったい私たちの普段の生活は、「恐怖」に囲まれているのでしょうか?いやいや、そんなことはないはずです。
冒頭で取り上げた『バフェットからの手紙』に記されている、1965年から2015年までの51年間には、S&P500が暴落する年も確かにありました。
しかしながら、1年間で値上がりする確率と値下がりする確率は、明らかに非対称の関係にあります。
値上がりした年を「◯」、値下がりした年を「×」として、1965年から2015年までの51年間を左端から記号にして並べると、次のようになります。
<S&P500:値上がり=◯ 値下がり=×>
1965年~1974年:◯×◯◯×◯◯◯××
1975年~1984年:◯◯×◯◯◯×◯◯◯
1985年~1994年:◯◯◯◯◯×◯◯◯◯
1995年~2004年:◯◯◯◯◯×××◯◯
2005年~2015年:◯◯◯×◯◯◯◯◯◯◯
結果:51試合中40勝11敗
このように視覚的に見ると、S&P500の勝率がいかに高いのかが、はっきりとわかると思います。51試合中40勝11敗、勝率に直すと78.4%となり、概ね8割の確率で勝つ勝負なのです。
インデックス投資家が「無一文」になることはあり得ない
さらに、それでも「株価が大幅に下がって大損してしまったら、どうしよう」という不安を抱えている人のために、下落してしまった年(11年間分)だけをピックアップしてみます。
下落率が20%以上の年には、目印として先頭に「◎」印、連敗した年には後ろに「※連敗」印をつけています。
<S&P500:下落した年>
・1966年:-11.7%
・1969年:-8.4%
・1973年:-14.8% ※連敗
◎1974年:-26.4% ※連敗
・1977年:-7.4%
・1981年:-5%
・1990年:-3.1%
・2000年:-9.1% ※連敗
・2001年:-11.9% ※連敗
◎2002年:-22.1% ※連敗
◎2008年:-37.0%
人によっては「株式投資をすると、最悪は無一文になる」と思っている人もいるかもしれませんが、S&P500へのインデックス投資の場合、そういうことは絶対にあり得ません。
過去51年間の中で、20%以上の値下がりが発生した年はわずかに3回です。それ以外の8回の下落は、大きく下げても15%以内の値下がりに収まっています。
仮に100万円を投資していた場合、年によっては70万円ぐらいに下がる可能性もありますが、ずっと落ち続けるわけではありません。
しかも、連敗する可能性もとても低いことがわかります。連敗したのは、過去51年間の中でわずか2回(1973~1974年、2000~2002年)だけでした。