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ビットコインという「実験」の裏で進む、AIとブロックチェーンの大融合=高島康司

ブロックチェーンの真の目的

では、このような経緯で開発されたブロックチェーンだが、その本来の目的は仮想通貨だったのだろうか? クイン・マイケルズによるとまったくそうではないという。ブロックチェーンのもっとも重要な目的にひとつは、人工知能のネットワークを形成し、人工知能の主体的な進化を促進することだという。

実は仮想通貨の構想は本来の目的ではなく、ブロックチェーンの機能を確認するための最初の実験だったのではないかというのだ。

周知のようにブロックチェーンとは、小さなブロック単位にまとめられたデジタルデータを、分散台帳と呼ばれるプラットフォームに書き込み、すべてのブロックをチェーンで結ぶテクノロジーである。

ブロックがチェーンに結ばれ台帳に書き込まれるためには、ブロックの形成時に自動的に組み込まれた暗号を解読しなければならない。これは、ハッシュ関数と呼ばれる複雑な数列で暗号化されている。この暗号を解読する作業はマイニングと呼ばれ、解読に成功したものには手数料が支払われる仕組みだ。

また、チェーンに不正にアクセスし、書き換えようとしたのなら、分散台帳全体がだめになるように設計されている。そのため、不正アクセスが非常に困難なシステムだ。そのため、不正アクセスの防止が中心的な機能であるサーバーの必要性がない。中央集権的なサーバーなしで高度な機能を実現するのが特徴だ。

このようなブロックチェーンなので、書き込まれるデータのブロックは、仮想通貨のように金融取引に関係するものに限定されるわけではない。また、高価なサーバを構築する必要がないので、大変にコストが安い。だから、不動産の登記、荷物の配送、電力の送電、保険契約、住民登録、そして選挙など既存の社会制度やシステムが担っている多くの機能をブロックチェーンのシステムで置き換えることができる

Next: ブロックチェーンにより、無数のAIがネットワークで結ばれる

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