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これがバフェット流「ガチホ」の真髄! 低迷するコカ・コーラを持ち続けるワケ=栫井駿介

コカ・コーラは48%の配当利回りを生む現金製造機

この考え方で重要なのは、高い「益回り」が見込める割安な価格で購入することです。逆に、いくらいい企業であっても、割高な価格で買ってしまえば、平凡な益回りになってしまいます。

バフェットの代表的な「永久保有銘柄」であるコカ・コーラは、購入単価から現在の時価まで14倍となっていますが、これだけの差が生まれるのは割安な時に集中的に買っているからです。そして、そのまま「高い益回り」を享受しているのです。

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しかし、それでも同社の最近の業績は停滞しています。EPSはこの5年で32%も減少しているのです。バフェットはそのような株をなぜ持ち続けているのでしょうか。

本当の答えは本人に聞いてみなければわかりませんが、その1つは配当であるように思います。バークシャーの取得単価で計算したコカ・コーラの配当利回りは48%と計算できます(取得金額1,299百万ドル、年間配当総額624百万ドル)。

コカ・コーラは近年成長していない分、配当を増やしています。その金額は純利益のほぼ全額に近く、時には純利益以上の金額を配当することもあります。

この行動は、株主にとってとてもありがたいものです。これまで説明したように、純利益はオーナーである株主のものですから、成長を見込む投資先がないのであれば本来配当すべきです。コカ・コーラはそれを実行できる、素晴らしい企業と言うことができます。

永久保有できる日本株はなかなか見つからない

反対に、利益は出しながら配当は渋り、ダラダラと成長の見込めない趣味のような事業に乗り出す経営者も少なくありません。そうでなくても、リスクを恐れて現金を貯め込む経営者も考えものです。

欧米の企業はこの考え方が徹底されていて、実践できる企業が多いように思えます。反対に、日本企業は現金を貯め込むことが多く、株主に十分に報いているとは言えません。だからこそ、永久保有できる日本株はなかなか見つからないのです。

ここまで考えを巡らせて、ようやく「いい会社である限り持ち続ける」の意味がわかってきたような気がします。もちろん、そのような企業は一定の成長力と安定した「経済の堀」が必要であり、簡単に見つけられるものではありません。

もしそれを見つけられたとしたら、将来的には自動的にお金を生むマシーンにすることができるでしょう。私はコカ・コーラに続く永久保有銘柄を探し続けたいと思います。


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image by:dimbar76 / Shutterstock.com

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バリュー株投資家の見方|つばめ投資顧問』(2018年3月29日号)より
※太字はMONEY VOICE編集部による

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【毎日少し賢くなる投資情報】長期投資の王道であるバリュー株投資家の視点から、ニュースの解説や銘柄分析、投資情報を発信します。<筆者紹介>栫井駿介(かこいしゅんすけ)。東京大学経済学部卒業、海外MBA修了。大手証券会社に勤務した後、つばめ投資顧問を設立。

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