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失業率アップは好景気の兆しかもよ?そのメカニズムと注目点を馬渕さんが解説してくれました

我が国の6月の完全失業率は3.4%となり、前の月に比べて0.1ポイント悪化しました。じゃあ景気は悪いの?と言えばさにあらず。中身をよーく見てみると、これってもしかすると好景気の兆しかもしれないことが分かるんです。ブーケ・ド・フルーレット代表の馬渕治好氏が解説します。

失業率はどう悪化したのか?その内訳を覗いてみよう

求職者が増えると、失業率は一時的にアップする

7/31(金)に発表された日本の6月の失業率は、前月比で0.1%悪化しました。

労働力調査(基本集計)2015年6月分(7月31日公表) 出典:総務省統計局
年平均 月次(季節調整値)
2012年 2013年 2014年 2015年3月 4月 5月 6月
完全失業率 4.3% 4.0% 3.6% 3.4% 3.3% 3.3% 3.4%

ただ、失業者数をみると、前月比(季節調整済)で4万人増加しているものの、このうち非自発的な離職(本人が仕事を辞めたくないにもかかわらず、解雇や勤め先の倒産などで辞めざるを得なかった)による失業者は2万人減っており、自発的な離職による失業者も4万人減っています。

では、なぜ失業者が増えたかというと、これまで働く気がなかった(あるいは、働く気はあったが、景気が悪くどうせ仕事を探しても見つからないだろうとあきらめていた)人、したがって就業者でも失業者でもなかった人が、景気回復をみて、新たに職を探そうとしたところ、まだ見つかっていないという形の失業者が、11万人増えたことによります。

男女別に失業者を見ると、女性の失業者増が多いため、おそらく女性で新たに職を探そうとしている人が増えたものと推察されます。

この点は、特に景気が悪いためとは考えられず、結論としては、失業率の0.1%増を懸念する必要は薄いと言えます。

最近残業してますか?6月の「所定外労働時間」に注目を

ただ、一方で、最近の所定外労働時間(残業や休日出勤の時間)が減少していることは気になります。(編注:所定外労働時間は、厚労省「毎月勤労統計調査」で調査される項目のひとつ)

所定外労働時間前年比は、今年に入って、2~5月は毎月マイナスで推移しています。これは、景気動向の観点からは、従業員を増やしたら、仕事量がそれほど増えていないので、残業などが減ってしまった、という意味合いになります。

つまり、人手不足が解消されている、先行きの雇用に黄信号がともっている、ということになります。

ところが構造的には、ブラック企業に対する批判の厳しさや、ワークライフバランスを重視する社会の流れから、雇用を増やして労働時間を短縮する動きに企業が踏み出している、あるいは、総労働コストが増加してもそのような雇用政策を打てるほど、企業収益の先行きに経営者は自信がある、ということなのだと、強気な説も唱えられています。

そのどちらの要因が大きいのか(景気の循環的な動きなのか、構造的な雇用戦略の変化なのか)は、判断が難しいですが、6月分の所定外労働時間は8/4(火)に公表されるため、とりあえず前年比の数値がどうなるのか、注目したいと考えます。

馬渕治好の週刊「世界経済・市場花だより」』(2015年8月2日号)より一部抜粋
※太字と図表はMONEY VOICE編集部による

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最新の世界経済・市場動向をさぐる「ブーケ・ド・フルーレット」(略称:Bdフルーレット)。この代表である馬渕治好が、めまぐるしく変化する世界の経済や市場の動きなどについて、高水準の分析を、わかりやすく解説します。馬渕が登場するTVや新聞・雑誌コラムなどと合わせて、当メールマガジンも是非ご覧ください。

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