これから投資を始めようという方が心配するポイントのひとつに「リスク管理をどうするか」があるのではないでしょうか。『まぐまぐ大賞2014』無料部門で総合2位に輝いたメルマガ『ハロー!株式』著者のaquaさんはリスク管理における資金配分と分散投資の必要性について語っています。
投資パフォーマンスを決定づける要因の9割
「タマゴは一つの籠に盛るな」という相場格言があります。籠を持ったまま転んでしまえば全ての卵が割れてしまうことを例え、分散投資の必要性を説いています。
特に株式投資を考える際には儲かることばかり考えがちで、儲かるのであれば全資金をつぎ込んで効率よく利益をあげようという考え方をしがちです。
しかしながら、相場が投資家の思惑どおりに動くとは限りません。全資金をつぎ込んだ後に、思惑と反対の方向に進んでしまえば、最悪の場合は破滅につながります。もちろん、思惑と反対の方向へ進んだ場合にどうするかを、予め計算と計画を立て実行できれば全く問題はありません。
上記の格言のように、タマゴ(資金)をいくつかの籠に分けて盛れば(分散投資)、被害は小さくすることが可能となります。
実際には、価格変動の仕方や仕組みの違う金融商品に資金を分散配分すれば、一部の商品の値動きが思惑どおりにいかなくとも、他は思惑どおりであったり、それほど悪化しないようであれば全体のリスクは低減します。
尚、保有金融資産の構成状況(組み合わせ)、資産一覧のことを「ポートフォリオ」と呼びます。株式や債券、投信信託、外債、外貨預金などで様々な組み合わせがありますが、狭義では株式のみでも保有銘柄の構成を指します。
意味合いが似た用語に「アセットアロケーション」がありますが、こちらは投資先ごとの資金配分のことを言います。例えば、土地に3割、株式に4割、外債に2割、現預金に1割と言ったような資産配分のことです。
順番としては、アセットアロケーションで資産・資金の振り分けを決めた後、具体的な投資対象の選択でポートフォリオが決定します。
ちなみに、米国の著名な投資アドバイザーのゲイリー・ブリソンらがまとめた有名な論文「ポートフォリオ・パフォーマンスの決定要因」によりますと、投資パフォーマンスを決定づける要因の9割はアセットアロケーションであって、銘柄選択やタイミングは重要な要件ではないと結論付けています。
『ハロー!株式』(2015年8月3日号)より一部抜粋
※太字はマネーボイス編集部による