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投資家心理はどう移り変わる? イタリア国債で見えた相場予測の大原則=久保田博幸

注意すべき欧米市場のマインド変化

もうひとつ、ここにきて欧米市場のマインド変化にも注意する必要がある。

特に世界の金融市場への影響も大きい米国の株式市場、特にナスダックがここにきて過去最高値を更新するなどしてきた。

イタリアは確かに政治リスクを抱え、スペインも同様である。しかし、それよりもECBの動きの方に市場の視線がより集まったのは、米株の動きからみてもイタリアのリスクについては材料としてかなり織り込み、あらたな動きが出ない限りは、リスク回避とは違う要因の方に比重を傾けてきたともいえる。

広い視野で投資家心理の移り変わりを感じとる

今回の金融市場の動きが何によって動いているのかは、他の市場の動きを組み合わせてみることで、何か変わってきたな、ということがわかる。

ユーロ圏の中核国と周辺国の国債の動き、外為市場でのユーロや円の動き、この場合の円の動きとはリスク回避なのか、リスクオンなのかを区別するのにも目安となる。そして、欧米の株式市場、特に米国の株式市場の動きなどになる。

それぞれが勝手に動いていることもあるものの、関連して動くことも当然多く、今回のユーロ圏の国債のように1日違いでまったく違った動きをみせたときなどは、市場の関心が違う方向に移ってきたのでは?と考える必要がある。

AIを使って株や為替の動きを予測するのは可能なのか

私のような年配者にとって、昔と比べて天気予報がよく当たるようになったと思うことがある。そもそも天気予報は天気占いではないので、当たるとか外れるとの表現はどうかと思うが、昔は占いでもあったかのように天気予報は外れることも多かった。

しかし、最近の天気予報はかなり正確になっている。これまでのデータの積み重ねと、雲の動きなどが的確に予想できるだけのスーパーコンピューターによる演算能力の向上などによって、かなり正確な予報が可能になってきたものと思われる。

それではいわゆるAIと呼ばれる技術を使って、株や為替、債券といった金融市場の動きを的確に予測することはできないのか

天気といった自然現象は観測地点を広げ、物理学の法則などに基づけば、より正確な予測はそれほど困難とはならないのではなかろうか。はやぶさ2が小惑星リュウグウにピンポイントでたどり着けるのも、物理学などの法則にもとづくものと思われる。

それでは、はやぶさ2をリュウグウに着陸させるのと同様に、物価の番人とされる中央銀行は、果たして金融政策により、ピンポイントで物価目標を達成させられるか

その答えといえば、ここにきての5年間の日銀の苦労をみれば、困難であることも明らかである。

Next: 日銀の苦戦から見えてくる市場操作・予測の難しさ

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