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米朝会談の7ヵ月前に密会? トランプと金正恩が交わした密約と合意文書のウラ=高島康司

米朝会談に向けて、事前に密約があった可能性も

しかし、ロシアやイランの政府系シンクタンクの分析記事をはじめ、筆者のもとに集まっている情報を見ると、トランプと金正恩はすでに半年以上も前に会っており、そのときに交わされた密約の存在を示唆するものが多いのだ。

英語圏の巨大掲示板「4chan」でトランプ政権内部の人間しか知りえない極秘情報をリークして話題になっているQアノンは、今年の3月8日、金正恩と会見した韓国の特使が訪米し、北朝鮮の米朝首脳会談開催の意志をトランプに伝える直前にも、次のような情報を暴露している。

昨年の11月、トランプが中国を訪問した折り、習近平主席の仲介のもと、紫禁城で金正恩とすでに会っている。現在、北朝鮮を統治しているのは、香山郡(ピャンサン郡)の香山ホテル(ピャンサンホテル)に本部のあるCIAのある部局である。CIAと本格的に対立しているトランプ政権は、この部局の解体に成功したので、金正恩はCIAの支配から解放された。このため北朝鮮は、もはやアメリカとの敵対関係を維持する必要がなくなったので、これから米朝の関係改善に動く、とする内容だった。

もちろん、Qアノンの言うように、北朝鮮がCIAのある部局の支配下にあったという証拠を見つけることは困難だ。いまのところ、そうした可能性もないとはいえないという仮説の段階だ。

しかし、ロシアやイランの政府系シンクタンクや、筆者に集まっている情報を総合すると、前述の証言にあるように、トランプが訪中した昨年の11月に、金正恩と直接会い、そのときに密約を交わした可能性をはっきりと示唆するものは多い。

その密約の内容を前提に、中身がないとされている今回の米朝首脳会談の合意内容を見ると、まったく違ったものが見えてくる。

では、その密約の内容とはどういうものだったのだろうか?

密約その1:CVIDの完全実施の棚上げ

それは完全かつ検証可能で不可逆的な非核化を主張するCVIDの完全な実施を、トランプ政権が実質的に棚上げするという内容だ。それはこういうことだ。

北朝鮮には約1万カ所の軍事施設があり、その多くはスイスアルプスのような北朝鮮の険しい山岳地帯の山中にある秘密施設である。多くの核兵器はこうした施設に隠されている。

もしアメリカが非核化を検証しようとするなら、こうした施設のすべてが対象となる。もしアメリカがこれを本気に実行するのであれば、北朝鮮にほとんどの軍事施設を明け渡すような、いわば武装解除に等しい状況となる。

これはアメリカが北朝鮮を占領に等しい状況だ。これは、中国にとっては絶対に許容できない

もし完全なCVIDの実施をアメリカが北朝鮮との関係改善の条件にするのであれば、中国はこれを全面的に拒否する。

したがって、トランプ政権は表向きには完全なCVIDを主張するものの、これの完全な実施は棚上げする。

CVIDは、北朝鮮が核廃棄を申告した施設に限定して行う。

Next: トランプはすべて納得済み? 北朝鮮が核を隠し持つ可能性も

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