メルカリついに上場。次の「本気でアメリカ市場を取りに行く」は実現可能か?=シバタナオキ

ついに待望のメルカリが株式上場しました。なぜ巨額の資金調達が必要なのか。現状の数字を丁寧に探ると、米国市場を制覇しようという強い意思が見えてきます。(『決算が読めるようになるノート』シバタナオキ)

※本記事は有料メルマガ『決算が読めるようになるノート』2018年6月5日号の抜粋です。ご興味をお持ちの方はぜひこの機会にバックナンバー含め今月分すべて無料のお試し購読をどうぞ。

プロフィール:シバタ ナオキ
SearchMan共同創業者。東京大学大学院工学系研究科技術経営戦略学専攻 博士課程修了(工学博士)。元・楽天株式会社執行役員(当時最年少)、元・東京大学工学系研究科助教、元・スタンフォード大学客員研究員。

狙うは「米国フリマ市場No.1」。今後1~2年で勝負が決まる?

待望の上場「メルカリ」の売上・営業利益

今回の記事では、ついに上場したメルカリに関して考察してみたいと思います(参考:新規上場申請のための有価証券報告書(PDFファイル))。

まずは、売上と営業利益を見てみましょう。

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2017年6月末までの1年間で、売上が221億円、営業利益が△27.8億円となっています。売上ベースでの前年同期比の成長率はプラス80%と、非常に高い水準で成長していることがよく分かります。

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また今期の第3四半期までの9ヶ月での数字を見ると、売上が261億円、営業利益が△19億円と、こちらも大きく成長していることがよくおわかり頂けると思います。

目論見からわかるメルカリの現状

今回の上場目論見書は、実はあまりビジネスに関しての記載が詳細に無いため、ビジネスの詳細を分析するのはかなり難しいのですが、できる範囲でやってみたいと思います。

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ここにある3つのグラフは、左から「累計ダウンロード数」「登録MAU(月間アクティブユーザー)」「流通総額」となっています。このグラフから読み取れることを、いくつか書いておきます。

<その1:ダウンロードした10人に1人がアクティブユーザーに>

1つ目は、登録ダウンロード数10に対してMAUが1になる傾向にある、ということです。つまり、ダウンロードした人の10%ぐらいが月間でアクティブなユーザーになるイメージです。

<その2:1人あたり約3,333円/月の取引を行う>

2つ目は、約1,000万人のMAUに対して四半期あたり1,000億円の流通総額ということになりますので、1MAUあたりの流通総額は月約3,333円という計算になります。

ここで注意したいのは、MAUのグラフは右肩上がりに直線的に上がっている傾向のように見えますが、流通総額のグラフは直線で上がっているのではなく、指数関数的にカーブの勾配が大きくなっているように見えるという点です。

これは、メルカリのCtoCフリマビジネスというのがネットワーク外部性が非常に大きいビジネスで、ユーザー数が増えれば増えるほど指数関数的に流通総額が増えるビジネスになっているためです。

<その3:アメリカでのビジネスがまったく立ち上がっていない>

この点に関連しますが、3つ目のポイントとしては、アメリカでのビジネスがまったく立ち上がっていないという点になります。ダウンロード数は3,700万ダウンロードもあるにも関わらず、流通総額への貢献は四半期あたり60億円という規模に留まっています。

Next: アメリカ版は日本の約6〜7倍ほど非効率? 海外展開が足枷になるか

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